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2017年FX取引の最大注目点は各国の金利

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年末も押し詰まってきていよいよ2017年の相場に市場の関心が集まり始めていますが、今年以上に気にしなくてはならないのが先進主要国の金利の動きということになりそうです。
中央銀行」主導のこれまでの低金利バブル相場では債券金利よりも株式市場の動きに為替相場がついていくことも多かったのですが、ここへきて債券金利のほうがより大きな影響を与える存在になってきており、2017年も引き続き金利に注目せざるを得ない状況が続きそうです。

米国10年債金利は新たなステージに突入

Data Bloomberg
米国10年債金利は今年の7月に年間の最安値である1.35%をつけその後上昇に転じています。すでにザラ場では2.6%を超える時間もではじめており、2014年からの上昇抵抗線を確実に抜ける動きとなっています。
ここから先は120ヶ月移動平均線という非常に長い移動平均線のある2.776%レベルと目指すことになりそうで、さらにこの水準を抜けることになれば長期的な上昇トレンド入りは間違いなくなりそうです。
直近の話ではありませんが、2018年には10年債金利が5%を超えるレベルに上昇する可能性が高く、日米の金利差がさらに広がることになれば、金利から見ると確実にドル円は上昇傾向となることが間違いないようです。

日本10年債は今年7月に底打ちした可能性

Data Bloomberg
一方日本の10年国債の金利ですが、今年7月8日につけたマイナス0.3%がどうやら底打ちになった可能性が高く、少しずつではありますが、上昇に転じています。
9月の「日銀政策決定会合」で「ゼロ金利」の釘付け政策を打ちだしている日銀ですが、今後「インフレ」が進行したときに、本当に「ヘリマネ」的施策をもってしても金利を上げないようにしていけるのかどうかがここからの相場の鍵となることはほぼ間違いないものと思われます。
今年11月にはJGB10年債のMACDがゴールデンクロスとなっておりテクニカルチャート的には間違いなく金利上昇は続きますから、これが日銀の操作によりどこまでコントロールできるのかが大きく注目されることとなります。
既に200日移動平均線を10年もの国債金利は明確に上昇してきており、足元では0.12%まで上昇し、節目の0.12%に接近する水準にまで達しています。
この先は0.22%を目指すことになるものと思われますが、いずれにしても米国債の利率とは大きく乖離し始めていますから、この状況が続く限りはドル円のドル高も簡単には解消しない方向にあることはしっかり認識する必要があります。

国債金利の上昇を止められなくなれば日本はとんでもないことに

足元の「中央銀行」バブル相場の終焉はなんといっても「インフレ」が到来することです。

日銀黒田総裁」は長期金利も日銀で簡単にコントロールできると胸を張っていますが、実際のところ「インフレ」局面になれば莫大な資金を投入して国債を買い上げなくてはならなくなり、本当にできるのかという大きな疑念も生まれることになります。
財務省の試算では、2017年以降に長期金利が想定よりも2%上昇するといった異例の事態になれば、国債費は17年度で4.8兆円、18年度には8兆円も増加するという数字がすでにでており、消費税増税分は完全に吹き飛ぶ勘定となります。
財務省関係者も日銀も何も発言しませんが、「インフレ」が来て金利が上がることを彼らは最も恐れており、そのタイミングが今の「中央銀行」バブルの崩壊となることは間違いありません。
為替の取引をするのに金利の動向やその構造を理解しておかなくてはならないというのもなかなかハードルの高い話ではありますが、この問題は益々ドル円やユーロドルなどの主要通貨ペアの動きに大きな影響を及ぼすことになりそうで、為替相場で勝つためにはしっかり今のうちに理解をしておくことが必要になります。それだけ為替相場の取引は難しくなることを示唆した状況といえます。
(この記事を書いた人:今市太郎
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