Photo Reuters.com15
15日未明に発表された「米国FOMC」の「政策金利」は予想通り0.25%の上げとなりまたしたが、「FOMC」メンバーのドットチャートが年間3回の利上げを予想していたことからドル円は吹き上がることとなり、ユーロドルも1.05を割れる勢いとなってドルが大きく買われることとなりました。
東京タイムの仲値の前には117.842円と118円に接近するところまで上昇しましたが、果たしてここからさらに上昇することになるのかどうかが大きな注目点となります。
トランプ政権との折り合いはまったくついていないFRB
政策発表後の会見に登場した「イエレン議長」はしきりと「FRB」の独立性を強調する発言をしていましたが、まだまだトランプ政権との親和性は発揮されておらず、当面様子見の姿勢をにじませるような発言も多く聞かれました。
この発表をうけてさすがに米国の株式市場は100ドル以上の安値で引けていますが、日本株はドル円の上昇を好感して値をあげる動きになっています。利上げが進めば確実に企業業績と株価にも影響がでることから、とりあえずのトランプ相場にも一定の終焉が近づきつつあることを感じさせられます。
国内では日銀の政策決定会合も残ってはいますが、世界的に大きなイベントはこれで全てを消化したことから、ここからは利益確定売りも出やすくなり、米系ファンドがどこまでがんばって相場を引き上げてくるのかも注目されることになります。
流動性がなくなりますと確かにいきなり値をあげることも可能にはなりますが、逆に売りが多く出れば想像以上の下落を引き起こすことにもなりかねませんので、投機筋が考えるような形で相場を操作できるのかどうかはまだよくわからない状況といえます。
ドル円120円到達はあるとしても年末ぎりぎりか
こうなると一体ドル円はどこまで上昇するかが気になるところですが、さすがにここから23日まではかなり市場参加者も減少することから、果たして大きな動意が得られるのかどうかが問題になりそうです。
すでに118円すれすれのところまで上昇しているドル円ですからあと2円吊り上げるのはそれほど難しいことではないようにも思われますが、流動性は著しく低下する時期にさしかかりますのでファンド勢の思惑通りに動くことになるのかどうかに関心が集まりそうです。
おそらくもう一段の上昇があるとすればクリスマス明けにjなることも予想され、一旦下落した場合には絶好の買い場となることも考えられます。
ここからは利益確定売りの出方によって相場の調整具合が変わってくるものと思われますが、ドル円の場合には東京タイムでないと大きな金額の売りは裁けない時間帯に入りますので、今週金曜日にかけては利益確定売りによる下落にも十分な注意が必要となります。
「FOMC」後もほとんど下押ししないままに上昇してしまったドル円ですから買えなかった市場参加者も多かったと思われ、115円台に下落してもそれなりの買いがでてきそうな状況で、ここからはあまり調整の下げも出ない可能性もあります。
1年を振り返ればほぼ行って来いのドル円相場
しかし年末にドル円が120円に接近するところまで戻ると予想したトレーダーはどれだけ存在したでしょうか?足元ではまさにそうした状況が示現しそうになっており、しかも120.22円を超えて年末の取引を終えればなんと年足では陽線に転換するという驚きのい年になってしまうわけです。
まさに怒涛の1年という感じのする相場展開でしたが、年明けからはそれなりの調整が入るリスクについても意識しておく必要があり、一旦年末までに利益の出ているポジションはしっかり利益確定しておくことが賢明になりそうです。
今回のトランプ相場で大きな利益にありつけた方はここからは無理せず年明けの相場についていろいろとシナリオを考えることに時間を使うほうがよさそうな年末相場の状況です。
(この記事を書いた人:今市太郎)