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いよいよイタリアの国民投票が4日に実施されますが、その結果が5日の東京タイムに発表されることになるため、影響が出る可能性が高くなっています。
「BREXIT」といい米国大統領選挙といい東京タイムに開票結果がでると、ろくなことが起こらない2016年でしたが、またしてもその時間帯に東京タイムがぶつかるという迷惑なタイムフレームが展開することになり、十分な注意が必要になってきています。
国民投票結果発表予定は日本時間5日午前11時
イタリア国民投票のタイムフレームのアウトラインだけご紹介しておきますと、現地時間の午7時から午後11時まで投票が行われることになりますので、投票が締め切られるのが午前7時ということになります。
また途中経過の投票率は日本時間の午前4時に発表される予定ですので、投票率が高ければ反対票が集まりNOとなる可能性が高くなることから思惑の売買がオセアニアタイムから始まる可能性があります。
午前7時に投票が終了と同時にTV局各局の独自出口調査が発表され、その後8時前あたりから最初の結果予想が発表されることになりそうです。
ここで大差が出ていますと、東京タイムのスタート前から相場が動くことが予想されます。そして予定では午前11時には国民投票の結果発表が行われることになります。時間的には「BREXIT」のときと同じような時間帯での動きになりそうであることがわかります。
問題はその後の政局にも波及
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ただ、今回の国民投票は英国のEU離脱の投票結果とは異なり、その後の政局がどうなるか次第でも相場が動くことになるため、必ずしも瞬間芸にはならない可能性があります。
まずNOということになった場合には初動でユーロが各通貨に対して売られることになりますので、100PIPS程度の下落は覚悟しておかなくてはならなさそうです。ドル円の動きが微妙なのは、「リスクオフ」ということで円が買われる可能性もあることからユーロドルは売られてもドル円も売られる可能性がきわめて高いということです。
基本的には「BREXIT」の下落と同じような動きになるリスクが高いのではないでしょうか。そして、その後レンツィ首相が辞任を表明すると相場はさらに「リスクオフ」に動くことになりますが、ここでも微妙なのは首相の辞任を大統領が承認しませんと結果政権が継続することになり、とりあえず2018年まで総選挙は継続する余地を残します。
ただ来年早々解散総選挙という選択肢も残され、この場合にはユーロは激しく売られることとなります。
イタリア国内でのこうした政治的な動きがどのぐらいのスピード感をもって動いていくことになるのかよくわからないことからリスクは継続してしまう可能性も残りますが、今回万が一の場合にも「ECB」がイタリアの国債を買い付けると表明していますので、瞬間的な相場の下落があってもその後徐々に持ち直して大きな動きが収まるという見方をする市場関係者もいるようです。
事前の市場関係者予測ほど当たらないものはない
米国の大統領選挙結果でもお分かりのとおり、事前の市場関係者予測ほどあてにならないものはありません。したがってあまり先入観をもって市場を見ていますと、またしても大きな判断ミスに巻き込まれることになりかねませんので、市場がどう動くのかを見極めてからポジションをとっても遅くはなさそうです。
日本時間の午後4時にはイタリアの国債市場がオープンし、その後5時には株式市場がオープンとなりますので、そこまでは様子を見て取引をしないというのも賢い選択になりそうです。
確かに6月の「BREXIT」の暴落を思うと結果発表の瞬間に絡んでいることがもっとも利益確保になりそうな気がしてきますが、今回ばかりは一発の動きだけでは終わりませんので十分に様子をみてから対応しても利益機会がありそうな気配となっています。
(この記事を書いた人:今市太郎)