日本は今週23日が勤労感謝の日ということでお休みですが、米国ではいよいよ感謝祭が24日にあり翌日は「ブラックフライデー」というとでお休みのシーズンが到来することになります。
国内では年末までラストスパートといった感じですが、今回相場を無理やり上昇させているように見受けられる米系のファンド勢は、年末一体いつまで働くのかが気になるところです。そこで今回はそんな年末のスケジュールについて考えて見たいと思います。
儲かっているファンドなら感謝祭前で年内お仕舞いも
さて、上の11月、12月のカレンダーが米国のお休みを示したものです。あくまで米国のお休みですからつられて休まないようにしていただきたいと思いますが、通常今年儲かっている「ファンドマネージャー」はすでに感謝祭前で仕事を終えてしまうのが基本となります。
多くのファンドは11月末か12月末が決算となりますから、それまでに十分な利益が出ている場合には、ここから小ざかしい売買をする必要はないわけで、すでに手仕舞いのシーズンが到来していることがわかります。
今年は千載一遇のチャンス~年末までファンドは働くかも
ただ、今年の場合には2012年に「アベノミクス」が始まったときの状況にかなり近い感じで、上昇している株を年末ぎりぎりまで吊り上げて、年内に利益を確定したいと思っているファンド勢が多そうな状況になってきています。
本来ならば24日を前に為替のほうは一旦手仕舞いがでてもおかしくはない状況ですが、株価が1万9000ドルを超えて2万ドルを追いかけるような動きになれば為替ももう一段吹き上げる可能性がでてくることになります。
ただしここからはネガティブリスクが満載
11月30日、「OPEC」総会の結果が気になるところですし、12月4日のイタリアの国民投票後の「リスクオフ」相場の可能性も残りますから、12月に入ると結構下落の局面も増える危険性が高まることになります。
12月14日の「FOMC」はすでに利上げを織り込み済みですから、これ自体で相場が大きく動くことはありませんが、利上げ決定後新興国相場の状況が激変した場合には、今年の1月と同様の「リスクオフ」相場になる可能性がありますので、ファンドの思惑とは別に相場が下落に転じるリスクも残されています。
したがって懸命なファンドならある程度年内早めに利益確定に動くことも視野に入れておく必要がありそうです。となるとひとつの目安は12月2日から引っ張っても9日ぐらいで一旦の動きが収束し、クリスマス以降にさらなる展開となるのかも知れません。
せっかくまとまった利益がでている以上利益確定をしておきたいと思うのは誰も同じですし、今期末の利益に組み入れるつもりなら11月中か12月中に手仕舞いをするファンドも増えるはずと思われます。
儲かっていないファンドは休み返上で引っ張るか
このコラムでもご紹介していますとおり、今年も多くのファンドはまったく儲かっておらず、下手をすれば来年からずっとお休みといわれかねない「ファンドマネージャー」は必死に利益を上げようとする動きにでることが予想されます。
その場合には年内にとにかくNYダウを2万ドルまで押し上げてしまおうという、強引な売買が登場する可能性もあり、少なくとも戻り売りだけはしないようにして様子を見る必要がありそうです。
ただ、投機筋の買いは必ずどこかで反対売買となって現れますので売りがスタートすればそれなりの下落が予想されます。米国の株価の場合には高止まりとなりそうですが、為替は一定の調整がでるのは間違いありませんから、下落が本格的になってから売りについていくことをお勧めします。
すでに111円を突破しているドル円は112円程度まで上昇しても不思議はありませんし、場が薄ければそれ以上に「オーバーシュート」気味に上昇して終わることも考えられます。
なんともいかがわしい相場展開ではありますがとにかく利益がとれそうなところはついて行き、早めにリカクしておくことが最良の取引といえそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)