週明けの東京タイムはいきなりドル円が上昇しはじめ、ロンドンタイムにさしかかったことには108円を試す展開となりました。
どうも108円にはかなりの売りとオプションが潜んでいるようなので、1回ではクリアできないのかも知れませんが、先週以来の上昇力は衰えていないところです。
ドルインデックスは年初来高値水準
さて、「ドルインデックス」は既に年初来高値となっており、100を超えるのも時間の問題となってきています。
ここでご紹介している「ドルインデックス」はICE、インターコンチネンタル取引所の指数で「FRB」やBISが出しているものとは若干ことなるものとなりますが、ユーロに対する比率が57.6%、日本円が13.6%、ポンドが11.9%、カナダドルが9.1%、スウェーデンクローネが4.2%、スイスフランが3.6%という具合ですからユーロドルの影響をもっとも受けた指数ということになり、ドル円単体で考えれば108円水準を超える可能性はまだまだ考えられます。
しかしこの水準を超えますとだいたい米国の金融当局から「口先介入」的な動きがでるのが常ですから、簡単にこれを乗り越えて上伸するのはなかなか難しい水準に達しているといえます。
3日で7円近い上昇はやりすぎ
テクニカルチャートを見ていますと、まだまだ上を試しそうな気がしてなりませんが、9日からたった3営業日で7円近い上昇を果たしているわけですから、スピードとしてはかなりやりすぎの感があり、しかも週明けの東京タイムから大きく上伸しているだけに、週末までこの調子で上昇一本やりの相場にはならなかさろうな予感がしています。
17日には慌てて安倍首相がトランプと会談するようですが、ここでも何が飛び出すかわからず、いきなり円安けん制などがでればたちどころにドル円は下落するリスクが残っています。
巷の噂では今回の上げはかなりAIを実装した「アルゴリズム」が暗躍しているようで、人の裁量取引ではここまでドラスティックな展開はできないといった指摘もではじめています。
そうなると思い当たるのがファンド勢の決算対策に絡む上げ仕掛けで、日経平均でも10月に続いて1000円以上がとれているわけですから、こうした投機筋が一枚からんで相場を上げているとしても決しておかしくはないといえそうです。
下落がはじまれば半値戻し程度は覚悟すべき
ドル円の場合ここから100円までまっしぐらに戻るとは到底思えませんが、半値戻しの104円ぐらいまでは考えておいてもおかしくはなさそうな状況です。
特にドルストレートの中でもドル円はもっとも米国政府に叩かれやすい存在ですから、ここから110円を超えるところまで上昇を容認されるとはなかなか思えない状況です。
またファンド勢が一枚絡んでいるとすれば、感謝祭の前で一旦手仕舞う動きがでてもおかしくはなく、24日まであと一週間足らずということになりますので、今週のうちになにか動きがでることも想定しておくべきでしょう。
通常儲かった「ファンドマネージャー」は感謝祭からお休みをとるケースが多くなるため、一般的にはクリスマスイブまでは引っ張らない可能性が高くなります。そもそも浮かれて上がった相場は冷めると下落も早くなります。
そこにファンドが介在しているとするとかなりの勢いで反対売買がでて相場が下落するリスクはきわめて高くなりそうです。少なくともここから上についていくのは相当慎重に対応したほうがよさそうですし、ほとんどのストップロスの買いはついてしまっていますので、簡単に上伸するとも思えない状況です。
したがって買い下がりもそれなりのリスクを伴っていることを意識されることが必要になります。この相場では想像以上にやられた向きも多いようで、一旦手仕舞って様子を見ているトレーダーも多い状況です。
初動でついていった方は利益がでてラッキーかも知れませんが、ここからの順張り追随は相当リスクを伴いそうですからくれぐれもご注意いただきたいと思います。
だいたい月曜の東京タイムで上伸した相場には、週の後半ろくなことが待ち構えていないのが常です。
(この記事を書いた人:今市太郎)