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今週のいきなりトランプ期待相場には、かなりダメージを受けたプロの投資家も多かったようで、個人投資家を含めて多くのトレーダーが「リスクオフ」からあらゆる相場が下落すると思い込んでいただけに、大きく買いあがった逆の動きに損切りも多発し、ドル円はとうとう107円の手前まで上げて週の取引を終了することとなりました。
金曜日米国はベテランズデーで債券相場が休場でしたから、金利の上昇はなく、ドル円もむりやり107円を超えている動きはないままに無難に終了しています。
ただ、7月につけた「ヘリマネ」騒動での上伸時の107.490円はもう目と鼻の先ですから、週明けここをさらに上抜けていくことになると景色がかなり変わることになりそうです。
トランプ期待相場という説明に納得いかない向きも多数存在
実際に相場は上昇してしまいましたから、いくら文句を言ってみても仕方ない状況ですが、トランプ勝利だけでここまで株も為替も買い上げられる大相場になるとはほとんどの人が想定していなかったことであり、消化しきれないとレーダーがプロも含めてかなりまだ存在していることも事実のようです。
依然として利食いと損切りがうずまく相場が続いており、なんともやりにくい相場環境であることは確かです。しかしチャートからみますと今年の1月に「マイナス金利」が登場して、一旦間違って買いあがってしまったときにつけて以来一度も実現しなかった200日移動平均線をとうとう上抜ける勢いになってしまっているのも事実であり、一体どこまで戻すことになるのかが非常に気になるところです。
テクニカル的にはもはや売りではないのですが、これまでのドル円の動きを知っているものにして見ますとここから買いではかなりついていきにくいのもまた事実です。
ところでマクロからミクロにチャートを移してみて見ますと、すでにドル円は107円を試しに行って3度跳ね返されてますから、それなりに上値には実需の売りがびっしり並んでいることも事実であり、上値が重い割には下値もかなりしっかりしていることが見受けられます。
しかしなぜトランプ勝利で値が上昇したのかという違和感が市場で払拭されない限り、なにかのきっかけでドル円が下落に転じる可能性はまだ残されているといえます。 200日移動平均線は超えたものの107.500円を明確に上抜けるかどうかを待って戻りを売るかどうか判断したいところです。
NY株の上昇は感謝祭までか年末までか
とりあえず株式相場が落ち着かないことにはドル円が連動上昇する可能性が残されることになり、ここからの為替の動きはなかなか予想しづらいものになってきています。
ただし、ファンド勢が一枚絡んで上昇を手伝っているとすれば感謝祭の前かクリスマスの前に相場が一息つく可能性はかなり高く、ドル円の場合にはそれよりもさらに前倒しで流れが変わるリスクも依然として残されている状況です。
なにしろトランプが大統領になったということ以外はなんら市場の状況が変わっているわけでもないですし、なにより政権のスタートは来年ですから期待相場だけでここまで大相場になるのもめずらしいといえます。
トランプが為替に何か物申すと状況一変か
巨額の公共事業にしても結局はトランプの一存では何も決められないのが現実ですが、こと為替に関するかぎりは相場の状況に不快感を示せばそれなりに下落の要因になることは間違いなく、「ドルインデックス」が100を超え始めるとこうしたけん制発言が相場を思った以上に抑える可能性が高くなりそうです。
ドル高けん制がではじめると真っ先にその攻撃の対象になるのはドル円ですから、「リスクオン」相場というだけでどこまで買上げについていくかは相当悩むところに差し掛かってきています。まずは107.500円を超えるかどうかを見守ってから次なるアクションにとりかかりたい状況です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
