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基準値の出し方をもう一度おさらいするとドル円相場であるならば、
「アメリカＧＤＰ総額÷日本ＧＤＰ総額＝円」になります。
ここで、重要になるのはこの解の単位がドルになるか、円になるかが重要なことであって、ドル円が円ドル相場になると計算式は「日本ＧＤＰ総額÷アメリカＧＤＰ総額＝ドル」になり、日本の円安、円高というのはこのドルが基準になって表記をされていることです。
ですから日本での数字の表記が円安になるほと数字の表記が大きくなり、小さくなるのが円高になるのです。ところが世界標準というのは円ドル相場というようなストレート相場の表記であり、自分の国の通過１単位当たりドルがいくら手元にあれば買える、というような表記になっているのです。
日本のような表記はクロスレートと言い、１ドルあれば、いくらの日本円が買えるか、ということになります。もう一度書けば、ストレート相場は１円でいくらのドルが買えるかの表記になります。わかりにくいことですので、何度も書いておきます。
ポンドドルの基準値
最近はウィキペディアのＧＤＰ総額がおかしいので今回は日本政府の発表しているＧＤＰの数字を使います。⇒ http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000018853.pdf
このＰＤＦの1.2のＧＤＰランキングを「イギリス÷アメリカ」で行うのですが、この答えは全く意味が不明な数字が出てくると思います。
この数字は現状の為替レートとは全く違うのですが、変動相場に移行した経緯を考えると、ある乗数をかけるとだいたい、この日本政府の発表から類推される基準値は1.26ドルくらいになります。
現状のポンドドル相場が1.22ドル程度になりますので、正直、売りすぎになります。また、私が、他のデータから類推した数字は1.21程度になります。しかし、今月の安値は1.19になりますのではっきりいってポンドは大バーゲンセールという状態になります。
一方でアメリカとイギリスは、「リーマンショック」以降、世界に先駆けて景気回復をした国々であり、去年の今頃はどちらのほうが先に利上げをするのかの競争に入っていましたが、今年6月のイギリスの離脱問題で景気が失速をしているのです。
実際はしていないのですが通貨レートをみると失速をしているように見えます。ただ、今年の基準値が1.2程度で、去年は1.5程度で推移をしていたのですから去年までが単に高すぎただけの話です。
つまりイギリス離脱決定からのポンドは高すぎたポンドの高値修正だけの話なのですが、このポンドが高すぎるのは昔からの問題であって、つい最近判明したような類の話ではありません。この点は忘れないようにしていただきたいと思います。
ですからポンドの至上安値に市場は騒いでいるのですが、決して売りすぎではなく、むしろ適正水準まで売られたのにすぎません。この点の基準値の話にいくとユーロは高すぎ、円は安すぎるのですが、その反対売買を行えば儲かるのですけど、基準値に近づいたポンドを商いするほうが、精神的には安定すると思います。
ただ、今までポンドが高すぎたのですから今後必要以上に売られる可能性もあり、今後のポンド経済には注視をしたいものです。通常の感覚ではこれだけ暴落をしたのですから一度買われるでしょう。
そして、もう一点、アメリカがまだドル安政策を維持するか否かも大きな今後のポンドの行方を決定すると思います。ただポンドは「ＳＤＲ」の採用銘柄でありかつての「基軸通貨」になります。大きくは今の時点では、売られることはないでしょう。
（この記事を書いた人：角野 實）
