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原油価格高騰はこのまま続くことになるか?

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本日、ロシアのプーチン大統領が訪問先のトルコにて「OPECと協力をして原油の生産調整をする」と発言をしてNY原油市場の先物価格は直近の高値を維持しました。
これを受けて、為替市場や株式市場は高値を維持しました。今回はこの件に関しての解説をしていきたいと思います。

原油価格と世界景気はリンクをしている?

なぜ、原油価格が上昇すると株価が上昇するのか?ということをわかっていない方が非常に多いと思います。株価が高騰するということは、為替にも密接に関係があることです。

なぜ、原油価格が上昇をすると、株価が上昇するのかといえば、たとえば日本の消費税を考えて行きましょう。現在、日本の消費税はすべての商行為の取引に関して8パーセントの課税がなされています。
100円の買いモノをしたら8円の徴税が行われ、1000円でしたら80円という風になります。もし、日本の物価平均が100円の場合と1000円の場合を比べてみてください。
課税の金額は8円と80円でその差が72円もあります。そう、今、政府、日銀が物価上昇を!と叫んでいるのはこの税収の問題が直接にリンクをしているからです。
今後、消費税が廃止されることはないでしょう。しかし、消費税が景気の足を引っ張っているのも事実です。なぜなら「失われた20年というのは消費税施行から始まっている」というのが今の経済学のメインストリームになるからです。
物価が上昇すれば、国家の財政健全化が行われるという発想から物価があがってほしいだけなのです。つまり、物価が上昇すれば国家財政危機、つまり日本の借金の多さが解消をされるという発想になります。これを原油価格で考えて行きましょう。
今の私たちの日常生活では原油なしではその生活を語ることができないのは、明白ですよね。このPCやスマホを製造するのに電気が使われないことはないでしょう、その電気の源は火力発電による石油の消費、移動には電車、バス、車、全部、石油を使っているのです。
その石油の価格が上がれば、当然、物価も上昇します。たとえば石油精製企業を例にとると、石油を精製してガソリン、灯油、ジェット燃料、重油を精製して販売するのには、その利益をいくら取るのかは企業にとっては非常に重要な問題です。
そのマージンを一律30パーセント取ると決めておけば、価格が上昇すればその石油精製会社の利益は増えますよね。どの会社もそうですが、人件費は固定費と設定して、利益に関しては売上の何パーセントと設定しているのが通常になると思います。
つまり企業は物価が上がれば、上がるほど、利益が増えるのです。そうなると上場企業の会社の純利益は、株式市場全体を押し上げ、引いては国家の「GDP」を押し上げるのです。「GDP」は為替に密接に関係があるということを忘れてはいけません。

原油減産は売り?

先月の「OPEC」や、ロシアの協調減産を受けて、NY先物市場の「WTI」は直近の高値を抜いてきましたので、需給関係からいえば、供給不足になる可能性がありますので価格が上昇するのは当然です。

需給でいえば、そうなりますが、何度も申し上げているように原油価格のメインは需給などでは決まっていません。そうです、原油価格は「基軸通貨」つまり、ドル次第の側面があるのです。
だったら、なぜ、去年のうちに1バレル100ドル台だったときに減産をしないで、40ドル台の今年にするのか、という説明がつきませんよね。そのことをすっかり忘れて、株が買い、ドルが買いというのはとてもとてもおかしな理屈です。
この答えは単純で今後、ドルがもっと上昇する可能性が出てきたので、今のうちから産油国が協調減産をして、価格の下落を押さえこもうという狙いに他なりません。
つまり、為替でいえば、ドルは上昇、原油は今は上昇していても何れ下落に転じることは明白なのです。

今後の展開

きのうは、102.4円までの押し目をつけるだろうと申し上げましたが、プーチン大統領のこの発言を受けて一転、ドル円は104円をうかがうようなレベルまでいきました。

しかし、直近の陽線の引け値は上回らずにおそらく折り返します。流れは強調するように、円安なのですから、押し目の幅が狭まったと考えるのが妥当でしょう。
前回は押し目は60までと記しましたが、この発言を受けて、70-90までに押し目が縮小したと考えるべきですし、妥当だと思います。
(この記事を書いた人:角野 實
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