ヨーロッパの金融機関不安等でここ数日、売られていたような記憶もありますし、それも今月上旬に私が指摘したように、欧州の金融不安は今、世界中でクローズアップされているのですが、不思議な国ニッポンであって耳にすることが極端に少ないように思います。
ただ、忘れてはならないのが、世界は拡大している、言いかえれば成長するのが当たり前で基本、経済は成長をしていくのが我々の願いであり、また歴史を振り返ると世界はそれを達成しているというのは誰もがわかることだと思います。
つまり「投資の基本は買いであって、売りではない」ことです。買いで安いところを買えばいつかは報われるはずであってそんなに変なことにはならない、と万年売り屋がいっておりますところが、笑ってしまうところなのですが、ともかく買い目線でマーケットは長めなくてはいけないと思います。
私のような売り屋の場合は、みなが浮かれまくっているときにそれをひっぱたくということに快感を感じる、変態にはなってはいけないように思います。
それが、売り屋の根性といえば、そうなのですが。さて、今回は、従前から申し上げているように「今日、明日、が仕込み場になるのかな」と思っているというお話をしていきたいと思います。
ファンダメンタルズ面での考察
きのうから臨時国会が開幕しました。これでようやく「伊勢志摩サミット」議長国、日本の補正予算がようやく審議入りします。この補正予算の成立を市場は待っているのは明白になるのですが、こういうこの9月のわけのわからない展開をみるとみなこの重要日程を忘れてしまいます。
日本の「GDP」が520兆円に28兆円の予算を使うのですから、かなりの押し上げ効果はあると思います。率にして18パーセントのお金を使うのですから株式市場関係者筆頭に期待をして当たり前の話です。
年間予算が70兆円で、それに補正予算28兆円になるのですから約100兆円のお金を使うのですから、私たち納税者としても効果がないと困りますよね。
また、明日の夜にはアメリカ「GDP」の確定値が出ます。この数字は改正値よりは若干よいはずになりますから、ドル円相場にとっては円安の追い風になると思います。
つまり、ドル高になる要因を探せばいいのですが、やはりマーケットの注目を浴びるのはユーロの金融機関の動向。どうみても、年末にむけてロクなことにならないな、と思うのが本音であって、「ドイツ銀行」の株価が10ドル。しかもテクニカル的には前回のモチアイは底練りではなく売りトレンドの中段のモチアイと確認されてしまっていますので、どこまで下がるのかが見ものの状態になります。
個人的にはユーロドルの4時間足などをみて、下抜ける可能性が非常に高いとは思います。ユーロドルが下がるということはドル高、ポンド高ですよねドル高、イコール円安ですし、円安でポンド高になるのならポンド円が先行して上がるはずですよね。
ユーロ円はユーロドル安、円安ですから相殺しあいますから動かないと思いますが、ユーロドルの下落幅によっては大きくさがる可能性もあるということになります。
テクニカルの考察
上記はポンド円の4時間足に「単純移動平均10」を足したものになります。私のチャートの見方は説明するまでもなく、この形は買いですよね。買いに転換しています。慎重派の方は、もう少し足が追加されてから買うのもよいことだと思います。
ドル円に関しては売られるところまでしっかり売られていないのですが、ポンドドルやポンド円に関しては今回の押し目でしっかりと売られるところまで売られましたので下がっても大きくは下がらないと思いますが、ドル円は下値不安がまだまだ、個人的にはあると思っています。
アメリカの株もきのうの陽線下ヒゲで日柄十分でゆっくりと上昇してくるでしょう。
(この記事を書いた人:角野 實)