「日銀の政策決定会合」と9月「FOMC」を終えて主要通貨ペアの動きがいまひとつよくわからなくなってきています。ドル円はとうとうこの二つのイベントを消化しても一切日足の一目均衡表の雲を超えることができず、相変わらず弱い下落トレンドを抜き出ることができなくなっています。
22日の秋分の日もドル円は100円台を割り込むほど突っ込む動きにはなりませんでしたから、100円近辺の下値が堅いことは事実ですが、かと言ってここからどんどん上伸するようにも見えず、何回か上方向を試したあとで結局100円台を抜けるかどうかの動きになることが予想されます。
101円台が定着しないドル円
21日の午後1時すぎに「日銀の政策決定会合」で一旦吹きあげたドル円ですが、102.781円が上限で、なんと上記の一目の雲の下限にしっかり抑えられることとなり、その後は100円台初頭まで下げますが下値を買い支える向きとオプションの防戦に阻まれて一旦101円台にまで戻る展開となっています。
しかしこちらの上値のほうも安定せず、100円台に落ちてはまた戻るという動きに終始し、なんとかNYタイムの終値でぎりぎり101円台をキープする流れになってきています。
嫌なのは、26日のクリントン・トランプによる直接対決のテレビ討論会ですが、ディベートの腕はヒラリーが上との市場の見かたがあるものの、トランプにとってはかなり突っ込みどころがあるのもまた事実で、シナリオにないことを言い出して攻撃が始まったときに、トランプ候補に付入る隙を与えてしまうことも十分に考えられ、いきなり大統領選をネタにしたリスクオフモードが展開する可能性にも注意が必要となりそうです。
まだ大統領選は序盤ですから、いきなりこの材料だけでドル円が大きく売り込まれる可能性は低いと思われますが、この夏毎回止められてきた99.500円をすんなり下抜けることになった場合には98円方向まで深押しするリスクは考えておくべきでしょう。
OPECの非公式会合にも注意
原油価格をめぐっては、26日から28日に石油輸出国機構(OPEC)の非公式会合があり、原油生産をめぐる何らかの合意があるかが注目されます。
「OPEC」やロシアは4月にも増産凍結を模索していますがサウジアラビアがイランの不参加を認めなかったため、物別れに終わったという実績があり、今回果たしてなんらかの増産凍結があるかどうか次第では、またしても原油価格が大きく下げる可能性があり、株価やドル円もこれに連動するリスクが考えられます。
株価が崩れだすと為替もリスク増大
米国の株式市場は「FOMC」の結果を好感して上昇していますが、9月から10月というシーズナルサイクルを考えますとここから株価が調整していけば、当然為替も下落傾向になり、下押し圧力につながることも想定されます。
相場の上下は一旦収まって膠着状態に戻りつつありますが、ちょっとしたことから相場が大きく振れる可能性はまだまだ残されており、ドル円に関しては引き続き大きな戻りはしっかり売りで対応して下落局面で利益を積み上げていくことがお勧めになります。
またあまり下値を追うのも危険ですから、100円を切ることがあってもそれ以上下がらない場合には、やはり早めに買い戻しを入れて、実現益を積み上げる努力をするべきでしょう。
9月もこのドル円の戻り売りはかなりワークしており、結果的に見ますとそれなりにまとまった利益を得ることができています。
もちろん踏みあげのリスクを感じた場合には一旦損切りをして再度売りなおすといった細かい売買を心がける必要はありますが、この時期何で大きく下落するかわからない中で買いのポジションを持つよりはかなり安心なトレードを実現させることができます。
8月、9月と大幅な下落を一度も経験せずにここまで来ているだけに、ここから何か起きる可能性は常に意識しておきたいところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)