今年10月で69歳とい割には、選挙スタッフの戦略で、妙に若々しく振舞って、口を大きく開きながら笑顔を浮かべる姿がなんともわざとらしい「ヒラリークリントン女史」ですが、週末に突然健康問題のニュースがメディアを駆け巡ることとなりした。
9月11日の同時多発テロ式典中に倒れ、搬送されたというニュースが飛び込んできてからは、いきなりヒラリー重病説が随所から浮上しはじめ、この問題が非常に注目を集めるようになっています。
公式的にはヒラリーは肺炎で倒れたことになっていますが、高齢者は肺炎でも命取りになることが考えられますし、そもそもそんな病気ではなく脳梗塞やパーキンソン病という話も浮上してきており、大統領選挙の行方がいきなり大きく変化しつつあります。
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トランプは支持率拮抗まで返り咲き
Photo Reuters
一方、ロイター/イプソスが公表した米大統領選の世論調査によりますと、共和党候補「ドナルド・トランプ」が支持率を伸ばし、民主党候補「ヒラリー・クリントン」の支持率と拮抗しているとの報道が出始めています。
なんとトランプの支持率は40%、クリントンは39%で数字的にはトランプのほうが上回るという結果になっているのです。
また共和党内でもトランプ支持はかなり回復しているようで、先般謝罪をして選挙戦略を再構築したことでブランドイメージが回復していることを示唆する状況となっています。
それにも増して、ヒラリークリントンがこれだけの問題ある対抗馬を前にして好意度がまったく上がらないというところに、彼女の致命的な弱点が潜んでおり、トランプ政権の誕生も現実のものになったときを考える時期がやってきているといえそうです。
米国内より海外の反応が気になる為替相場
さて、気になるのはトランプ大統領誕生が現実のものになりつつあるときに果たしてドル、とりわけドル円がどのように動き始めるのかということです。
米国内はウォールストリートをはじめとして意外にもトランプ候補は様々なレベルに存在し始めているようですから、一概にドル売りとはならない可能性もありますが、海外市場はそうはいかず、どう考えてもドル売りが加速する要素になることが考えられます。
11月8日の前にヒラリークリントンが倒れて出馬不能になった場合一体どういうことが起こるのかよくわかりませんが、代打がたったとしてもトランプ優勢になる可能性はかなり高く、事と次第によっては大統領選挙の前にドル売り円高が進行してしまう事態に追い込まれることも考えておかなくてはならない状況です。
FRBが利上げを急ぐ理由にも関係か?
ここからは推測以外の何者でもありませんが、まさかのトランプ政権に備えて「FRB」はとにかく早めに利上げだけしてしまい、政策手段をしっかりと手中に収めておきたいという思惑が働いている可能性は否定できません。
政治にもっとも近いところにいる「FRB」関係者が大統領選のセンチメントをいち早く感じ取ったとしてもそれほど不思議なことではないでしょう。
大統領が変わっただけで「FRB議長」が更迭になる事態はこれまであまり聴いたことはありませんが、「イエレン」が民主党支持であることは厳然たる事実ですから、トランプが口にしたように入れ替えが進むことは十分にありうることで、大統領選挙後の12月では益々動きづらくなることから9月にとにかく0.25%利上げというのはわからないシナリオではありません。
まあこうなるとチャートもなにも関係のない政治ネタで相場がどうなるかという恐ろしい話になってしまいますが、番狂わせの多い2016年、英国の「BREXIT」成立をさらに超える驚愕の事態がいよいよ到来することになるのかもしれません。
トランプはヒラリー同様、ドル安を強く志向していますから、彼の当選が確実になってもドル円が大きく上昇することにはならないわけで、大統領選挙がらみでも大きくドル円が戻したところは売りで待ち構えていると一時的な下落で結構な利益を確保できるようになるかも知れません。
(この記事を書いた人:今市太郎)