FXトレーダーは、たくさんの画面を開いて、何やら複雑そうなグラフや表を眺め、1日中画面に張り付いている。そんなイメージを持っている人が多いかもしれません。
確かにこうしたタイプのFXトレーダーもいるのですが、投資家の中にもFX専業でないトレーダーは少なくありません。そこで「ポートフォリオ」の中にFXを位置づけるにはどうすればよいかを考えてみましょう。
ポートフォリオの組み方とは
まず「ポートフォリオ」の組み方について確認します。「ポートフォリオ」を組む理由は、ずばりリスクを分散させるためです。特定の資産や通貨などに投資先が集中していると、有事の際に大きな損失を被りかねません。
分散投資をすることで同じリターンをより低いリスクで得ることを目指します。「ポートフォリオ」の設定に当たっては、株式と「債券」を組み合わせている人や、そこに「有事の金」といわれる金の「ETF」を組み合わせている人などがいます。
さらに高いリターンを期待するなら「REIT」を少し組み入れるなどの方法があります。ただ、これらは資産分散で会って、通貨分散にはなっていません。通貨分散をするには、FXが有力な選択肢となります。
FXがポートフォリオで役立つ場面
FXは「ポートフォリオ」で通貨分散をするのに役立ちます。通貨分散の方法としては外貨預金、「外債」、外貨建て「ETF」がありますが、外貨預金は利回りが低く「外債」は流動性に乏しいのでオススメしません。
外貨建て「ETF」は優先株に投資したり、世界の幅広い債券に投資したりといった分散投資に役立つ銘柄がなくはないのですが、選択できる通貨が少ないのが難点です。
そこで、新興国通貨などにも投資したい場合は、FX取引で通貨分散を行いましょう。長期にわたって高金利通貨の買いポジションを保有し続ければ「スワップ金利」が得られます。
これが配当金・分配金の代わりと考えましょう。金利が高いトルコリラなどであれば「ETF」などと比べて高い利回りを得ることにもつながります。
このように、FXは外貨建て「ETF」ではカバーしづらい通貨に分散投資する際に役立ちます。
FX不要のポートフォリオとは
「ポートフォリオ」にはすべての資産を入れる必要はありません。あまりにも投資対象が広がりすぎると、管理が難しくなってしまうからです。
では、FXを必要としない「ポートフォリオ」はあるのでしょうか。FX取引は新興国通貨に分散投資するのに有効です。そのため、新興国通貨に全く投資したくない場合は、FXを無理に組み入れる必要はありません。
とはいえ、通貨分散を考えるにあたり、新興国通貨の値上がりの恩恵を全く無視するのは好ましいとはいいがたいです。でもやっぱりFXは苦手...という方は、新興国通貨が値上がりすれば恩恵を受けられる企業の株式を購入してみましょう。
新興国向けの輸出を行っている企業をターゲットとするのが簡単です。日本企業やアメリカ企業の中には新興国向け輸出が売り上げに占める割合が50%を超えているところもあります。
個人的にはこうした企業を発掘するより低レバレッジのFXで通貨分散するほうがラクだとは思いますが、株式と「ETF」しか買わない、などとマイルールを決めている人は、FXなしの「ポートフォリオ」を検討し、通貨分散を行いましょう。
基本的なFX知識は持っておこう
「ポートフォリオ」を組んでリスクを下げたい場合は、幅広い投資ができるほうがラクになります。
そこで、FXで大きな利益を狙わない場合でも、FX取引の基礎知識は持っておくべきです。具体的には、レバレッジのかけ方や「スワップポイント」の手に入れ方などです。
これらの知識をもとに通貨分散を手軽に行うことができれば、自分が得意とする株式投資や「ETF」投資などに費やす時間を増やすことができますよ。