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ここのところ尖閣列島で異常とも思える挑発行為を繰り返す中国ですが、憲法改正にとってはこの上ない材料ということで安倍政権も強面に対応しており、ややもすれば武力衝突もありえそうな緊迫した状況が続いています。
戦後日本は他国との戦闘に巻き込まれたこともなければ、まともに他国に対して自衛権という名のもとでも武力行使を行ったことはありませんから、具体的に戦闘ということが現実のものになった場合に、為替がどう反応することになるのかが非常に気になるところです。
こうしたことは事が起きるまえに考えたくない話ですが、今の政権では改憲デモンストレーションのために受けてたちかねない状況であり、現実的なリスクとして捉えざるを得ない状況にあることもまた事実です。
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当事国通貨が売られるのは基本
まず日本が直接的に武力行使に手を出すことになれば、日本円は売られることになります。
しかし米国がこうした状況に至った場合にどう動くか次第では、ドル円は必ずしもドル高にならない可能性がでてきます。
また、尖閣列島での戦闘行為ということに限って言えば内地での戦争状態とは異なるため、むしろ中国からの資金の流出のほうが前面に出て、ドル円は通常のリスク回避の動きと同じように円高になる可能性も残されています。
短時間の武力衝突による小競り合いと、本格的な戦闘とでも市場の評価は異なるものとなりそうです。
オバマ政権の期間中に起きる武力衝突であれば、米国が助け舟を出してくれそうな状況ではあります。
しかし「ヒラリークリントン」は中国から資金援助を受けているといった、ダークな話もでてきていますし「トランプ」が大統領になれば、そもそも日米安保についてどこまでギャランティーしてくれるかわからない部分もあり、新たな米国大統領の下では、日本がいきなり矢面に立つ可能性も十分に考えられます。
したがって悪い日本売りならば株価は下落し、為替も売られるという定石が適用されることになるのでしょうが、実際にそういう動きになるのかどうかが非常に注目されるところです。
改憲武力国家の実現は為替にも大きな影響を与えることに
憲法改正の問題もよくよく考えて見ますと、海外からの日本への投資に関して結構大きな影響を与えることになりそうです。
これまで、この国は「悪い日本売り」という状況に直面したことがありませんでしたが、今後戦闘にかかわるような事態が具体的に現実のものとなれば、このような相場の動きに相当な注意を払う必要がでてくることは言うまでもありません。
足元の状況で中国と日本が武力衝突を行った場合、国際社会が本当に日本の見方になるのか？あるいはこれまで戦後70年にわたって非武装を基本としていた国の方針が変わることに対する国際的な評価に変化が現れることにならないのかが非常に気になるところです。
また、こうした衝突が収まったとしても経済より有事の体制優先という政権の意向が嫌気されれば結局日本株は売られることになりますし、円高に逆戻りするリスクも考えておかなくてはなりません。
この問題は実際に起きてみないことには為替相場もどう動くことになるのかいまひとつわからない状態です。とくに当事国二カ国以外が絡む話になったときには意外な為替相場の動きになることも想定されます。
米国が関与した軍事的衝突では悉く米ドルが売られる展開になっていますから、基本は円安になるものと思われますが、セオリーどおりに円を売って儲けられるかどうかは、断定できない状況です。
実際にこうしたことが現実のものとなり、その答えが身をもって確認できるような事態に陥らないことを願いたいところですが、現状のきな臭さはこれまでの政権にはない雰囲気をもたらしており、引き続き十分な注意が必要になってきているといえます。
（この記事を書いた人：今市太郎）
