昨日あたりから投げと踏みの応酬大会になっていた為替市場は今朝7時半すぎにいきなりドル円が大幅下落をすることとなり、相場は1円70銭近く下落することとなりました。
原因は何だかいまだにわかりませんが、とにかく異常に荒い相場が続くことになり、「日銀の政策決定会合」結果がでるまでも激しい上下を繰り返すこととなりました。
待たせた挙句のゼロ回答
結局日銀が政策決定を発表したのは12時50分過ぎとなりましたが、散々事前に詳細な観測報道が出た割には、まったくひとつも整合性が取れておらず、まったくの虚偽報道に近い状況といっても過言ではないほど、メディアの報道内容は外れることとなりました。
土用の丑の日も近いので、先にうな重の店屋物食べてから発表されたのか何なのかわかりませんが、時間をかけた甲斐もない状況となってしまってわけです。
現状は「黒田総裁」の記者会見前にこの原稿を書いておりますので、このあとさらに売り込まれる可能性も非常に高いといえますが、政権が総合経済対策を発表する前に日銀が先に緩和措置を発表することはやはりなかったということなのでしょう。
ここからの動きは大注目
さて、問題はここからということになります。本日は欧州銀行の「ストレステスト」の結果が発表になりますが、不合格の銀行がイタリア意外にも登場することになればかなりのリスクオフが考えられることになり、さらにドル円は円高に進むことが危惧されます。
ここのところ「黒田総裁」はまったく市場の期待を意に介さないような態度と発言を記者会見上で繰り返しており、相場は大きく売り浴びせで対応するのが常になっています。
4月28日の会見後はドル円がさらに売り込まれることになり、10円程度の下落があったことを考えますと、ここからの下落幅は非常に注目されます。
同様に10円の下押しが想定される場合には94円を下抜ける可能性もてでくることになります。
しかも週が変って8月2日には、総合経済対策の詳細が発表となりますが、これも市場の期待との間にギャップが生じることになりますと、更なる売りの対象になることは十分に考えられる状況に陥ってしまいます。
日銀の独自性ということを考えれば今回の見送りはそれほどおかしいことではありませんが、政権と日銀がどの程度話ができているのかがかなり怪しくなりつつあり、メディアのリーク報道でも首を傾げたくなることが多いだけにここからの相場の反応というものが非常に問題になりそうです。
NYタイムの週末103円レベルで終了すれば意外に押しは少ない可能性も
「財務省」は日銀の結果を受けて経済対策を考えていることをしきりに告知し始めていますが、これがある程度市場の関心になれば、週末大きく下げずに終了する可能性も残ることになります。
とくにドル円は103円を決定的に割り込む形になりますと週明けからも下落が懸念されますが、これで103円程度がなんとか守れることになると今回は意外に押しが軽い可能性も出てくることになり、週の終わり値が注目されます。
ただ、日銀のこうした市場対話を無視したやり方はかなり市場関係者からも嫌気されはじめており、このやり方を今後も続けていくのかどうは大きく問われる時期にさしかかってきているともいえます。
8月はそうでなくても「アノマリー」として円高が進みやすくなっていますし、米国の大統領選挙では円安が標的になりやすく、11月までは円安が持続できそうな支援材料はほとんど存在しない状況です。
ここで深く下押しをしてしまいますと、8月中か9月にかけて95円方向への下落も十分に考えられる状況になりつつあります。
(この記事を書いた人:今市太郎)