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今週はそもそも火曜日から相場の様子はおかしかったのですが、メディアの観測報道がでるたびに「アルゴリズム」が容赦なく過剰に反応し、ドル円は105円台後半から104円割れまで突っ込む展開となりました。
翌水曜日には逆に総合経済対策の金額がいきなり20兆円から27兆円にふくらみ、WSJの報道で50年債の投入が伝えられると、これまた過剰に反応する「アルゴリズム」の仕業で105円台初頭だった相場は一気に106円50銭超まで大幅に買い上げられることとなります。
しかし「ロイター」の報道で財務省理財局が50年債の検討はしていないとする報道がでると、今度は一気に売り込まれ105円割れ寸前まで下落する動きとなりました。
その後も「安倍総理」が福岡で記者会見に応じて総額28兆円、真水部分13兆円の経済対策を来週発表と伝わって、またしても相場は106円台へと吹き上がる動きを示現することになります。
とにかく27日の東京タイムは一時が万事この調子で、感情のまったくない「アルゴリズム」はとにかくあげても下げてもすべて「オーバーシュート」気味に対応するため、相場にかかわった多くの市場参加者が等しく投げと踏みの応酬に巻き込まれて疲弊する相場状況となってしまいました。
政権の情報の出し方がプラスになっていない
個別の報道がどこをソースにして発信されているのか気になるところですが、毎回小出しにされ全容がわからない内容に一喜一憂する相場は結局、多くの市場参加者が痛んだだけで、まったく期待を醸成する効果を失っている状況です。
29日の「日銀政策決定会合」にしても2日の総合経済対策の中身についても、肝心の中身に対する市場の関心は急激に薄れており、相場の痛み具合が感じられる動きとなっています。
とくに政権と日銀がどれぐらい足並みがそろっているかについては、かなり疑問を呈さざるを得ない状況であり、果たして外国人投機筋が期待するような政策決定会合の結果になるのかどうかが気になるところです。
また報道するメディア側も何を目論んでいるのかよくわからず、単に悪意を感じるものも非常に増えているのが気になります。
独自の取材合戦が過熱しているということもあるのかも知れませんが、ほとんど虚偽に近いような報道がでても「アルゴリズム」はそのテキストに素直に反応してしまいますから、相場は必要以上に上に行ったり下にいったりしてしまうことになり「アルゴリズム」の高速取引自体もどれだけ利益がでているのかよくわからない状態です。
政権も日銀もメディアコントロールがまったくなっていないことを強く感じさせれれます。
29日は上げても下げても基本売り場探し
国内のエコノミスト、アナリストの実に8割が日銀の緩和を予想している今回の政策発表ですから、何か出てくる可能性は高いといえますが、仮に市場の予想通りの緩和措置がでれば一瞬上昇してもまた下落に転じる可能性はかなり高いと言えます。
とくに2日の経済対策は詳細発表で事実売りになる危険性がかなり高まっていますので、ドル円が上昇すれば絶好の戻り売りタイミングとなり期待剥落で下落すれば、こちらも絶好の利益獲得チャンスになるものと思われます。
したがって金曜日はとにかく売り場をどこに求めるかが最大のポイントになりそうです。
本日もこれから明日にかけてまだまだよくわからない報道が飛び出すことで、相場が荒れる可能性がありますので、とにかく過分なポジションは持たないようにしてしっかり資金管理をしながら売買をしていきたいところです。
結局のところ、海外の投機筋にまたこっぴどく叩かれることになるのでは、と心配される「日銀政策決定会合」前日の相場展開で、市場のセンチメントをまったく意に介さない「黒田総裁」がどのように対応するのか、その顛末が明日の相場にどのように反映されるのか非常に注目されるところです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
