26日の東京市場は、スタート時から日経平均、ドル円ともに大きく売られる展開が続きました。
前週まで盛り上がった「ヘリマネ」発動のドル買い円売り上伸期待が終息しつつあることに加え、国内メディアが伝え始めた、総合経済対策が海外投機筋が期待していた内容とかなり異なる内容となりつつあることに市場は既に嫌気しはじめており、週末から来週にかけての展開が思いやられる状況です。
状況次第では下落は早めに始まりそうで、かなり注意が必要な動きになってきています。
週末から週明け期待剥落続出でドル円大きく下落か?
今週になって「原油価格」が1バレル40ドル台前半にまで下落していることもドル円の下げを手伝っているようですが、それ以外にも20兆円といわれた経済対策の実際の真水はせいぜい3兆円程度、複数年あわせて6兆円程度で、役人が書いたほとんど財政出動のいらない内容であることが、メディア各社の報道で詳らかになってきたことがどうやら売りを誘っているようです。
29日の前には「FOMC」もあり、米国の利上げ観測が強く示されれば一定のドル買いもあるため、ドル円の相場はそれなりに戻すことも考えられますが、国内エコノミストの8割が緩和措置の実施を予想している中で、29日の「日銀政策決定会合」でまたしても何も出なければかなりの相場下落が予想されることになります。
欧州のストレステストの結果次第ではユーロも売られる展開に
困ったことに29日には欧州銀行の「ストレステスト」の結果が発表されることになっていますが、イタリアの多くの銀行が不合格になったり「ドイツ銀行」に駄目だしが出るようなこととなれば、ユーロは大きく売られることになります。
リスクオフ相場から円が変われ、ドル円は「日銀政策決定会合」の結果に輪をかけるように売り込まれることも想定しておく必要がでてきています。
8月2日は経済対策が閣議決定されたところで売り浴びせか?
さらに困ったスケジュールなのは週明けの2日に「総合経済対策の内容が閣議決定」されることです。
現在メディアが報じているようなスカスカの中身のない内容ですと、これがオフィシャルになった段階でまたしても売り込まれる可能性が高く、本格的に夏休みに突入する時期でもあることから、ちょっとした売りが嵩んでもドル円は大きく下落する可能性が高まりそうです。
ここから一気に100円にまで逆戻りするとは思いにくいところですが、102円台ぐらいまでの下押しは十分にありうる話となってきています。
米国株価もピークアウトを示唆する動きに
これまで恐ろしいほどの好調ぶりを続けてきた米国の株価も25日のNYタイムでは「原油価格」の下落を嫌気して大きく売り込まれ始めており、いよいよピークを超えて調整時期に入る動きになりかかっています。
これが加速することになれば日経平均が巻き添えを食うリスクは非常に高く、回りまわってドル円も円高方向に動きそうな勢いです。
本来、ここ2週間で7円近く買い上げてきた海外投機筋は29日までにもう一息高いところまえ買い上げて売り抜けるつもりであったのだろうと思いますが、どうもその思惑通り動かないうちにドル円は一旦下落をはじめてしまいましたので、早めに手仕舞う動きになることも考えておく必要がありそうで、事実が出てきたときにはすでに売り込まれている状況になることも考えておく必要がありそうです。
いずれにしても夏の下落相場は予想より早く始まりつつありますので、利益の出ているものはできるだけ早めにリカクして相場の動きの変化を見守りたいところです。「ヘリマネ」期待相場は既に終わりを告げているのかも知れません。
(この記事を書いた人:今市太郎)