UKの国民投票でEU離脱が決まったことを受け、政府は28日経済財政諮問会議を開き「安倍首相」が日本経済の下振れを防ぐため政策を総動員するよう閣僚らに指示したとされます。
今回ばかりは世界的な協調体制がでるのではないかといった市場期待もあったようですが、実態は相当難しく、ここからも多くを期待できる状況ではない雰囲気が漂いはじめています。
米国ルー財務長官はまたしても介入駄目だし
ここのところ日本の介入を毎回けん制し続けている米国の「ルー米財務長官」は、英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めたことで金融市場に動揺が広がったものの、新たな金融危機の引き金にはならないと述べています。
しかも「市場は秩序だっている」と、またしても遠まわしに「日本の介入をけん制」するような発言を繰り返しています。
EUと英国が結束してなにかすることはない
欧州「ECB」と「BOE」も当面の状況では「為替介入」をする可能性は低く、「BOE」については対ドルのレートが1.2を割り込むようなら、ばポンドの信用度の問題として介入を実施する可能性が観測されています。
ただし、ポンドドルで1.2となるとポンド円ではいったいいくらのレートになるのかを考えますと、とてもではないですが、日英で協調介入を行える可能性も極めて低いといえます。
エリオットの大家・宮田氏は日経平均下落を予想
このコラムでも何回かご紹介しています、三菱UFJモルガンスタンレー証券のチーフテクニカルアナリストである宮田氏は最新のレポートで、ドル円が100円を切ったことから一定の下落は達成し、ここからは円高終了を見極めえる局面に入っているとしています。
ただし、日経平均については、この7月から9月に一段の下落を予想しており、早ければ7月10日の参院選の前後に1万3885円レベルまでの下落して底打ちすることも示唆しています。
宮田氏もドル円がさらに「96円方向に下落」する余地は否定しておらず、一段安がやってくるリスクはまだ残っているといえるのです。
となりますと、、ドル円も当然95円方向に下落することが予想され、その下落スピード次第では底値まで介入ができずに終わる可能性もでてきているといえるのです。
1日に2円程度下落する流れでは、日常的な下落の延長線上ですから、無秩序な下落とはいえず、価格のレベル感からいらついて介入を実施したい税府の思惑ではなかなか介入ができない状況が続きそうです。
いずれにしても底なし沼のように下落することはないものの、一定の戻りがでたところではドル円は確実に売り持ちしておくと下落時にちょっとしたお小遣いを稼げそうな状況です。
24日のようは海外起因の暴落では、相場の下落は暴落時が底値にならず、後で更なる下落がやってくるケースが多いとされています。
宮田氏の推測はその予測とも合致するものがあり、参院選のタイミングが当たるのかどうかは、よく判りませんが、少なくとももう一度株が下押しするタイミングに為替も下落を見る可能性があることだけは気にしておく必要がありそうです。
また次回95円台まで下落した場合には、一旦の買い場として機能する可能性が高まっていることもしっかり認識しておきたいところです。
95円レベルまでドル円が下落した場合には、年間の変動幅は25円超になりますから今年の動きとしてはかなりいいところまでいくことになるわけです。
【過去の宮田レポート記事】
宮田氏は下記記事の通り、「エリオット波動論」を使った分析によって、2015年7月の段階で「ドル円、2016年5月@100円」を予測、1か月のずれはありますが的中させています。
⇒ ドル円は既にピークアウト?宮田直彦氏エリオット波動レポートで見る今後の相場予測
⇒ ドル円は2016年5月に100円!?@宮田氏エリオット波動論レポート
宮田氏は下記記事の通り、「エリオット波動論」を使った分析によって、2015年7月の段階で「ドル円、2016年5月@100円」を予測、1か月のずれはありますが的中させています。
⇒ ドル円は既にピークアウト?宮田直彦氏エリオット波動レポートで見る今後の相場予測
⇒ ドル円は2016年5月に100円!?@宮田氏エリオット波動論レポート
(この記事を書いた人:今市太郎)