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英国の国民投票で見えてきたドル円のポイント

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英国の国民投票関連のディールで興奮冷めやらぬ方も多いかと思いますが、とりあえず、ポンドやユーロは別にして、この国民投票でドル円に関して見えてきた「3つのポイント」について、今回はお話をしてみたいと思います。

1.新たなレンジの上下限は107円と99円

今回の英国の国民投票は実に珍しいことに、投票と開票の期間中に相場の上限と下限を試しに行く動きになりました 。まず上限は24日朝、投票が終わった直後にYouGovの発表があって大きく相場が上昇したときにつけた「106.75円」です。

これは相当跳ねた状態でしたが、どうしても107円には到達することができずに終わったところです。
また、下値は同日の昼の12時前にいきなり暴落して付けた「99円」レベルということになります。
上値は108円方向まで上昇することが期待されていましたが、相当な戻り売りが置かれていたのが、このレベルで、どうしてもそこまでは戻ることができずに終わっています。したがって、このレベルは当面の相当強固なレジスタンスラインであることがわかります。
また、下値は朝の8時半前に一旦大きく下げたときに「102.73円」レベルでとまりましたが、その後はほとんどこのサポートラインでとまることもなく下落をしてしまいました。
相場は相当Bidがなく薄い状態であったことがわかりしたが、とにかく予想以上に売買が少なく流動性が枯渇しているところがなんとも気になります。
恐らくこうしたことから、あっという間に100円をすり抜けてドル円は下落してしまったのでしょう。
トレンド転換をするためには少なくとも「111.45円」と今から考えればかなり高いレベルを超えていく必要があり、当面このレベルをクリアするのは難しいものと見られます。

2. 100円を切っても介入ができない財務省

今回のドル円の相場の動きで、もうひとつ注目されたにもかかわらず何も起こらなかったのが財務省判断による日銀の介入です。

麻生大臣はよくわからない会見を行っていましたが、要するに一回程度ストンと下落した程度では、介入はできないことを暗に示した内容だったと理解できました。
これでは99円でも介入しないわけですから103円や102円で介入ができるわけもなく、かなり当局が介入するハードルが高いことを公に示したこととなってしまいました。
ここから毎日じわじわ下落するとまともには介入できないわけですから、どこまで下値を試しに行くのかが当面大きな注目点となりそうです。24日100円割れの示現後、すぐに相場は100円台に回復し103円までなんと言うこともなく戻ってしまいました。
これはもしかすると、準公的機関に依頼して買い上げたのではないかという雰囲気の動きが感じられましたが事実はどこからも発表されていません。

3. 今年最高値から既に半年で22円以上の値幅を示現

介入はなかなかできないとは言え、すでにドル円は今年の最高値(1月29日の日銀金融緩和のマイナス金利発表後)の121円台後半から22円ほど下落することとなっていますので、昨年の年間の動意幅の実に倍にまで達してしまったことになります。

昨年が10円強の幅であったことを考えますと、現状でもその2倍になってしまっていますから、最大で動いても25円程度を考えますと下値もそれなりに制限される可能性があることがわかります。
ただ、上方向もかなり重いことは事実ですし、輸出勢はさらにターゲットとなる金額を下げて売りのオファーを置いてくることになると思われますので、上値もそう簡単には広がらない可能性が硬くなってきているといえるのです。
したがって当面は「狭い幅でのレンジ相場が継続しそう」で流れを大きく買える材料が何かでてくることが次の動きのきっかけになりそうです。
本来一定の下落を実現させてしまったわけですから、上方向に反転することも考えられないわけではありませんが、ここからのドルと円をめぐる材料を考えますと上方向にトレンドが変わる可能性はかなり薄く、このままのレンジ相場が続くか、さらに下方向にブレークする何かが起きるかになるのではないでしょうか。
どうも今年これからのドル円は大きくとれる通貨ペアにはならなさそうな感じになってきています。
(この記事を書いた人:今市太郎
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