多くのトレーダーの方はUKの離脱を巡る投票結果を食い入るようにごらんになっていると思いますので、結果のはまだ出ていませんが、途中経過で感じた事をこのタイミングでまとめてみることにします。
投票中は動かないと思いきやどんどん買いあがった相場
まず開票が進む段階で、残留派が大勢と安易に思っていたのが大間違いでありまして、最初から離脱派がリードするというきわめて気合の入った展開となったのが今回の投票劇です。
しかし市場自体、離脱回避を安易に信用したのか23日の日本時間の午後6時すぎからはあれよあれよという間にポンドは買い上げられ、投票が終わるタイミングで、賭け屋の「YouGov」の調査結果がでて残留優位が発表された途端に160円超まで値をつけることとなりました。
個人的にはほとんど投票中動かないと思っていただけに、これはかなり意外という感じです。
下落は想定していたものの朝からいきなり147円台まで戻る展開
あくまで24日のお昼段階での数字ですが、24日の東京タイム、8時半前にいきなり147円台まで下落したポンド円につられてドル円も大きく値を下げることとなりました。
調整はあるとはいえ、いきなり13円下がるのはなかなかのもので、「
ミセスワタナベ」も朝6時にリカクしておしまいにしていれば九死に一生でしょうが、昼までポジションをもっていたら134円台を食らってかなりの人たちが撃沈しているはずです。
BOE,BOJは介入しないのか?
さてここから気になるのは各国「中央銀行」の「介入」の問題です。ドル円もお昼前に勢いあまって「98.45円」レベルまで売られすぐに100円台に戻していますが、指値を置いていてもスプレッドが広がってどれだけの人が利益を手にできたのかは不明です。
しかし国内の金融当局が気にしていた、ドル円100円を結果が出る前に安々とつけてしまったのはかなりショックな状況で、果たして本邦の金融当局がどう打ってでてくるのかが気になるところです。
ただし、今の上下振幅状態では、介入してもこれからさらに下落するかもしれない状況を止められるとは思えず、来週月曜の東京タイムまでは「
BOJ」は出てこない可能性も高まっています。
24日のロンドンタイムから先の動きが気になるところですが、「
BOE」が介入をすれば一応の大義名分がBOJにもそろうことになりますので、90円台に入ったところで介入というのはありえそうな状況です。
その場合、5円戻すのは至難の業ですからどこで介入するかにもよりますが、104円レベルまで押し戻すのが精一杯ではないでしょうか?また介入の回数も大きく影響することになりそうです。
ここからの相場の動きに注目
どうも為替相場を見ていますと、結果が出る前に大きく織り込みに行く傾向があるようで、今回の投票でも離脱が正式に決まった段階で、ここからどれだけさらに下押しがでるのかが注目点となりそうです。
ポンド円はすでに134円台をつけてしまっていますし、ドル円も98.45円ということで今回の離脱の当面のターゲットをクリアしているだけに、ここからさらにどこまで下押すことになるのかが非常に大きな関心事となります。
オプションのからみもあって一定の履行が実施されると反対売買がかなり出る可能性もあり、一気に大きなレベルのショートカバーが起きるリスクも考えておく必要があります。
このあと奇跡的に「離脱回避」ということも考えられますが、実際に離脱が決まってしまうと、どのような相場展開になるのか様子を見ることが懸命になりそうです。
この投票に絡む相場展開もかなり意外な動きになっていますので、この先を予想するのは相当難しい状況です。しかし「
アベノミクス」は株も為替もほとんどスタート地点に巻き戻した感があり、政権も日銀もどのような手を打ってくるのかについても注目が集まります。
参議院選挙の前には株価が上がるというのはどうも今年については当てはまらない状況になりそうです。