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注目された「日銀の政策決定会合」は、大方の予想をすっかり裏切る形で、結局何も追加緩和行わないという内容になり、その結果として株も為替も大幅に売り込まれることとなりました。
株もここまでの大幅な上昇を吐き出すことになり、相場は連休を前にして散々な状況になっています。
ドル円は高値から既に3円以上下落しており、買いもほとんどをこなしたことから一旦はショートカバーが出る可能性も強まっていますが、連休中に本邦勢不在の中再度下攻めがでる可能性がさらに高まったといえそうです。
覚悟を決めた決定か
先週終盤から3円近く為替相場が上昇し、日経平均も1万7500円を回復した理由については、日銀もしっかり理解しているはずで、ここで追加の緩和措置を出さなければ相場が下落することは、恐らくかなりしっかりと想定したはずです。
にもかかわらず何も出してこなかった意味合いがどこあるのか、市場は当面それを探す動きになるものと思われます。
もともと、ブルームバーグの記事自体完全な憶測記事に過ぎなかったわけですから、どこまでこの憶測に乗るのかということが相場参加者には求めらることとなりましたが、とにかくショートが溜まりに溜まっていたドル円は、英文化されてかなり強い内容に見えた報道を受けて、買い戻しをせざるをえない状況となったことは間違いありません。
しかし、今回結局フェイクな報道であったことがはっきりしてきたわけですから、どこかでこの仕返しがこのゴールデンウイーク中に起こりそうな気配となってきています。
日銀にしてみれば自分たちで動かした相場ではないだけに、なんとも反応のしようがないというのが言い分なのでしょうが、本来は事前に検討していないといったコメントがでていればここまで大きく下落せずに済んだともいえそうで、サプライズ型に終始する日銀のやり方もそろそろ方向転換すべき時期にさしかかっているようにも思われます。
今回の下落は、「イベントドリブンファンド」の思うつぼになった感もあり、すっかり日銀ははめられたという印象もぬぐえません。
ただし、そうした「投機筋」ともむきあっていかなくてはならないのが日銀の役割ですから、何も対応しないという判断が正しいといえるのかどうかは市場の評価も分かれるところではないでしょうか。
特に乱高下する相場は市場参加者を疲弊させやすく、そこから余分な動きが出る危険性もあるのです。
問題はここからの動き
一旦上昇要因をすべて失ってしまったドル円ですから、伊勢志摩サミットに向けてなにか政策対応がでるまではまたしても真空地帯を通りすぎることになりそうです。
今回3円ほど下落したことで、一定の買いも吸収してしまった状態ですから、多少の戻りを試す可能性が高くなっていますが、一定の戻りがでたところでまた売りで待ち構えることが必要な一週間となりそうです。
とくに5月3日からの3連休はまったく本邦勢が登場しない時間帯になりますので、早ければここでの下攻めが気になるところです。
中央銀行政策依存相場の限界が見えてきている
しかし、今回のような噂で妙に買い上がって結局事実が異なって売られるという相場の流れも、確かに一定の利益機会を得る場にはなりますが、これが果たしてあるべき相場の姿なのかということになりますと、かなり疑問の生じるものがあります。
既に市場は一定の「金融緩和」では物足りなく感じ、さらに強い政策を望む傾向があり、その欲求は常にエスカレートしようとしています。
こうした動きが加速すると、結局個人投資家その動きに巻き込まれ、翻弄された挙句に利益を失いかねず、決して喜ばしい状況とはいえないのが現実です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
