新年度初日にあたる4月1日の株式市場は予想外ともいえる大幅な下落に見舞われ-594.51円安の日経平均1万6164円で引けることとなりました。
下を見ればもはやすぐに1万5000円台ということで、実に3月上昇分のほぼすべてをこの1日で吐き出す大きな下落を示現することになってしまいました。
これによりハロウィンの時期に買って4月後半までに売るという株価の比較的安全なサイクルも今年はまったく機能しておらず、3月31日までの「PKO」による株上げも失敗し「GPIF」の通年度発表を参議院選挙後に遅らせるといってギミックを登場させることで損失を選挙に響かせないとんだゴマカシまで登場する事態に陥っています。
多くの投機筋がこの「アベノミクス」と名づけられた金融抑圧主体の官製相場が終焉したことを実感しているようで、今後の流れにも二つの動きが観測されているようです。
日経平均売り迎えと参議院選挙前の財政出動まで待つタイプに大別
どうやら海外系の投機筋の中では日本株をどこで手放すのかが大きな議論になりつつあるようです。
いち早い見切り派は既に手仕舞って売りに回っているようで、1日の大幅下落にもこうした向きの動きが加担していることは間違いないようです。
また、もう一方では、5月の伊勢志摩サミットで発表される大型財政出動と消費税の延期を見て、相場が盛り返したところで売り向かって手仕舞いを行おうと考える向きも存在するようです。
この2つの勢力によって株価が左右され、当然のことながら為替もそれに振らされる展開が続きそうな状況となってきています。
時期の問題でいずれも売り判断が働く投機筋
ただし、こうした後期筋の判断の根底には、すでに「アベノミクス」は終焉しており、少なくとも過去3年に及んだ官製相場は維持てきないと見る筋が殆どのようです。
「IMM」の円買いドル売りポジションも一時的には減りましたが今もショートがたまりつつあるところを見ても、外国人の投機筋は日本売りで相場を見ていることは間違いないようで、ドル円は継続して高値をとったら戻り売り姿勢で臨むことが確実に利益をもたらしてくれそうな向こう3ヶ月間といえます。
財政出動と消費税の延期も撤回でない限りは消費は緩まないと見るエコノミストも多く、増税前の前倒し消費が抜ける分、クルマの販売などは逆に下落するとの予測もではじめており、どちらに転んでもかなり前途多難の状況が待ち構えていることがわかります。
日経平均は1万4000円、ドル円は100円を目指す展開か
時期の問題についてはなかなか難しいところがありますが、日経平均は今の日本売りがさらに顕在化する時点で1万4000円方向を目指す可能性があり、エリオット波動分析でもこうした指摘が出始めています。
またドル円は当然それに連動して100円方向を目指すこととなり、現状の112円のレベルと考えれば125円に戻ることよりもはるかに現実味が高まってきているといえます。
円高が明確に示現しはじめますと資源国通貨を含めたクロス円でも円高がはっきりとしますので、ポンド円や豪ドル円などはかなりわかりやすい動きになることが期待できそうです。
現在市場にでている材料を見る限り、ドル円が上昇できる材料はかなり乏しく、相場の一時的展開で上昇した際にはやはり丁寧に売り場を探していくことが間違いないものとなりそうです。
ただ、いずれにしてもチャートを見ていて条件的に納得のいくタイミングをしっかり選んで売り場を探すことは重要です。
流れは下落でも間違ったところで売買をしてしまいますと一時的に踏み上げられてしまったり、思わぬ損失を抱え込みかねないからで、日ごろ以上に注意しながら売買することが重要となりそうです。
またショートがたまりすぎると一定のレベルでショートカバーが出やすくなるのもまた事実ですから、プライスアクションにもかなり注意することが必要となりそうです。いずれにしてもドル円相場の流れは明らかに変わってきている状況に間違いはありません。
(この記事を書いた人:今市太郎)