いよいよ月末まで7営業日を切る形となり、日経平均のほうはかなり「PKO」と思しき買いが相場を吊り上げようとしている気配が感じられます。
ただし、あっさり1万8000円台を回復するほど易しい相場にはなっておらず、1万7500円以上の日経平均に戻すだけでもかなりのエネルギーを必要としていることがわかります。
22日はベルギーブラッセルの二箇所で報復と見られるテロも発生したことから一時的に円が買われる局面も見られましたが、NYタイム終了時にはまた112円台に戻して引けていますので大きな影響を受けることは免れています。
本来年度末ですから例年の「アノマリー」を含めて考えてみても、ドル円は上昇してしかるべき時期にさしかかっています。
しかし、今年に関してはそう一本調子では戻らない可能性がでてきており、4月上旬に向けて戻ったところがあるとすれば、絶好の売り場になることも想定しておいたほうがよさそうな相場状況といえます。
週足では依然として60週MAボリンジャー-2σの外で動く厳しい状況
今後の相場の動きがわからなくなってきた時には日足から週足、月足といった長いチャートを見ていくことが基本になります。
海外のファンド勢もチェックしている週足の60週移動平均のボリンジャーバンドを見てみますと、引き続き-2σの外側で売買され続けているのがドル円の現状です。
なんとか上場軌道に乗るためには少なくとも113.500円レベルを超えた動き、つまり-2σの内側に入り込まないことにはお話にならない位置にあるのです。
週足ですから動きがでるまでには時間がかかることも事実ですが、現在のように多少の上昇がみられても、まず月内にこの113円台半ばを超えない限りは、全く戻りを試したことにはなりません。
月末越えの段階でこの-2σの中にドル円相場が入っているかどうかをチェックすることが、その先を占う上で非常に重要となります。
月足の20ヶ月移動平均線では引き続き状況が悪い
さらに月足でチェックしてみますと、多くの投機筋がドル円を売り持ちにしているひとつの根拠となる20ヶ月移動平均線で見た場合、完全にドル円はこの移動平均線の下側に定着してしまっています。
足元では「118.50円」レベルを明確に超えてこない限りは今後も下落のリスクに見舞われることになってしまっています。
週足よりもこの月足の20ヶ月移動平均を下回ってから「IMM」の投機筋の円ロングも飛躍的に増加しており、この月末にむけて多少の戻りを試すことになっても、このレベルを戻さない限り、戻り売り継続の相場となりそうです。
とくにこの週足、月足レベルでの話しは、一時的に113.50円や118.50円を超えるのではなく安定的にそれを超えたレベルで売買が継続することが必要になりますから、まだまだハードルは高くなります。
月足で条件を充足するにはかなり時間がかかりそうですが、一旦は週足で113.50円を超えられるかどうかをひとつの試金石をしてみているのがお勧めとなります。
さらにそれを超えられてもこれまで何度も止められてきた114.500円を超えられるかどうかが重要となります。実質稼働日が1週間を切った3月にここを突破できれば上方向に期待が持てそうでです。
月末逆に下値を狙う投機筋にも注意
3月15日時点での「IMM」の投機筋の円ロングは一旦減少していますし、110.60円レベルがついたことで多少ドル売り円買いも減少していることが伺われます。
しかし、ダブルボトムを形成できずに再度110円台中盤を示現したことから下値を追うことに積極的な投機筋も多く存在しており、月末に向けて逆に下落に直面するリスクも残されています。
この数日で短期の投機筋の売り仕掛けによって110円を割り込む形になった場合、上方向よりもさらに下方向に相場が展開することを想定すべきです。
3月末はむずかしいとしても4月に入って国内「PKO」の買い支えが途切れた段階が下値追いのチャンスになることも考えられ、この時期にドル円を買い向かうのであれば、しっかりストップロスを置いておくことが重要となります。
(この記事を書いた人:今市太郎)