「FOMC」明けの17日いきなり110円60銭台まで売り込まれたドル円ですが、18日は一旦膠着状態になったものの、またしても週明け「国民の休日」で本邦勢不在の中、21日にはドル円が大きく売り込まれるリスクを考える必要がありそうです。
2月11日ドル円は2円以上の下落を示現
2月11日の「建国記念の日」では、朝方113円58銭まで上昇したドル円でしたが、上値に売りオーダーがあったことを受けて反転し、その後113円のバリアオプションをあっさり突破しました。
相場は112円53銭まで急落し、一旦は支えられましたが、欧州勢参入後112円50銭を下抜けてからは市場総出でドル売り円買いが進み、111円を割れるところまで円高が進むこととなりました。
17日のドル円110円台突入もロンドン勢がニューヨーク勢と入れ替わる手前のところで大きく売り込まれていることから、21日についてもロンドン勢が大きく仕掛けてくる可能性が考えられます。
ロンドンタイムとニューヨークタイムはシームレスに展開されるようみ見えますが、ニューヨーク勢は夏時間では午後10時前から登場することになりますので、ロンドン勢はストップロス狩りを受けないようにその前に下落をしかけてくることが多いようです。
ただし、逆にニューヨークタイムに入ってから売りが仕掛けられる場合や「LONDON FIX」に向けて売られる場合にはこの限りではありませんので、10時すぎれば安心ではないことにも注意が必要です。
投機筋はG20で簡単に介入できないことも確認済
大きく相場が下落すると日銀のレートチェックがFXニュースなどでも報道されますが、先般の「G20」でも「為替介入」は簡単にできないことが改めて確認されました。
ですから、今回は安心して下押しをしてくる可能性がでてきているといえます。
110円台中盤にはそれなりの買いが入っているようですが、「GPIF」などの買いがあっても介入ではありませんから、売りがそれを上回れば下抜けるのは簡単で、110円を下抜けた場合、下落幅は結構大きくなること注意しておかなくてはなりません。
目先の目処は106円から105円
いきなり1回で105円まで下落することはないにしても、一旦110円を抜けてしまえば、ドル円は下方向でサポートされるラインが極めて少なくなり、段階的に下落を加速させる状況を想定しておかなくてはなりません。
前回の下落でも2円程度は平気で下値を模索しにいきますので、一旦下落すれば108円以下は覚悟しておく必要がありそうですし、106円まではいきなり届いてしまってもおかしくはない状況です。
アルゴリズムの急な反対売買にも注意が必要
最近大きな下落時によく起きるのがアルゴリズムによるいきなりの反対売買です。
ツイッターなどでレートチェックなどというキーワードをつぶやいても、ほかのアルゴリズムが大きく跳ねる動きに追随するようで、実行者は上値で売って儲けるようですから、一旦暴落して利益がでたらあまり引っ張らずに即座に利益を確定させることも重要になりそうです。
最近のこの手のやり口では一発だけの跳ね上げで2円程度値を戻すこともあるようで、あきらかにショートカバーとは異なる動きになっているのが特徴的です。
しかも飛びぬけるのは必ず一発だけですから、逆に跳ねたところを売ると結構とれることが多いのもまた事実です。
この20日のロンドンタイムあたりはもっとも投機筋がしかけをしやすい時間帯になりますから、高いところで戻り売りができるようならば一旦はホールドしてロンドンタイムを過ごしてみるのもひとつの方法となります。
ただ、あまり欲張っても仕方ありませんから大きく下げたら必ず一度は利益をしっかり確定させることが重要になります。
毎回見ていましてもドル円の底値というのは滞留時間が比較的短いのが特徴となりますので、のんびりしていると上に持ち上げられてせっかくの利益を不意にしてしまうこともあります。
ですから、サクサク利確をすることが重要といえそうです。果たして21日も同様の動きになるかどうか大注目になりそうですね。
(この記事を書いた人:今市太郎)