EU離脱を問う「UK」の国民投票が正式決定して以来、ポンドはドルに対しても円に対しても凄まじい勢いで下落しましたが、2月末に底をつけてから大きく切り返して戻りを試す形となり、ポンド円はこの間で、12円下落して7円戻すといったような荒っぽい展開を見せています。
国民投票は6月23日ですからまだ3ヶ月以上も先の話であり、この間に世論調査の結果がでたり、国内の要人が離脱に賛成したりしますとその度に大きく相場が振れることになりそうで、かなり注意をして売買をすることが求められそうです。
頭から尻尾まで全部取ろうとすると踏み上げられる危険性大
最近ではドル円ですら2円近く動くことが稀ではなくなっている相場状況ですから、ポンド円が6円、7円と動いてしまうのはそれほど驚くべきことではありません。
ですが、チャートを常に見ていても何がきっかけで戻りを試すことになるのかは、正直なところよくわからなくなっていますし、単純に売り持ちだけしていればいい相場状況でもないことも事実であり、結構神経を使って売買することが求められる動きになってきています。
下記の2枚のチャートは「ポンド円」と「ポンドドル」の1時間足の動きになります。
2月は取り立てて円が強含んだこともあり、ふたつのチャートは似たような動きをしています。
しかし、今後の3ヶ月はドルストレートでのポンドの方がよりわかりやすい動きになりそうな状況であり、「ポンド円」を果たして選択するかどうかは大きな選択肢になりそうです。
一般的には「ポンドドル」はスプレッドの広い業者が多く使いにくいところも多いわけですが、クロス円の場合、架空の通貨ペアの色彩をもっていますので、ユーロ円などに一定の動きがでてしまうとそれにつられるところもあり、分かり易さということだけから言うと扱いにくい傾向にあります。
日常的に取引に慣れている人にとっては、ポンド円の方が分かりやすいということもありますから、一概には否定できませんが、大きく動くことが考えられる場合には、米ドルとの組み合わせの方がノイズが少なく取引はしやすくなるといえそうです。
往復で利益をとるよりも売り専門といったやり方が得策
ポンドの場合、6月23日までは明らかに下落リスクが高まることは間違いなく、突然「要人発言」などで下落を始めることもあり得ますから、安全策としては十分に戻ったところを引き付け、しかも下落を始めたところをしっかり目視して、順張りでついていくといった方法が手堅い売買になりそうです。
本来なら12円下落するなら最初から最後までいただきたいところではありますが、最初の50銭程度は確実に動き始めてから飛び乗っても遅くありません。
戻りも結構強烈ですから細目に利益確定をして、積み上げる覚悟で望んだほうが、一度売ったら売りっぱなしよりも結果的に多くの利益を残すことができそうです。
特にこれだけ大きく動くのであれば、往復とれるのが一番ですが、売りに徹するといった形で手堅く売買する方法を研究した方が大きくやられずに済みそうな動きになってきています。
下げの本番はまだまだこれから
今後は「BBC」や「FT」など英国系のメディアにも注意を払うことが利益機会につながりそうです。
世論調査でEU残留支持者が多くなれば一気に買い戻しになることは間違いありませんから、資金に余裕をもって臨むのか、比較的タイトなストップロスを入れて何かあったら再度入り直すぐらいの気持ちでトレードしていくことがよさそうです。
恐らく離脱支持者が明らかに上回るといった世論調査結果がでた場合には、先取りする形で大幅な下落が示現することになりますので、こうしたタイミングをいかに逃さないかが、ここ3ヶ月のポンドの取引のポイントになりそうです。
最近ではスイングトレードでも5円や10円分を獲得できるのは本当に年間でも数えるほどになっていますから、今回の「UK」のEU離脱ネタは絶好の稼ぎ時といえます。
それだけに間違った参入の仕方をして、大きくやられないような注意深い売買が必要になるのです。
(この記事を書いた人:今市太郎)