財政出動が必要なのはわかっていても具体的実施可能国は不明の状況
今回の声明では事前段階から米国のルー財務長官が「金融緩和」だけでは経済回復は難しく財政出動の必要性を強調する旨の発言をしたことが際立ちましたが、中国はそうした財政出動の余力があることを口にしたものの、他の先進国は具体的なプランを協調行動に盛り込むことはできず、掛け声だけで実現可能性に乏しい内容が露見しています。
議長国の中国からコメントでマイナス金利を懸念材料に指摘された日銀
「G20」の会議自体は非公開であるため、すべてのプロセスがどのように展開されたのかは不明ですが、関係者が明らかにしたところでは、中国の議長からのコメントで、円を対ドルで押し下げて債券利回りを歴史的な低水準に引き下げた、日銀による前例のない金融刺激策に対する懸念の高まりを、示唆するものとなっております。
ECBと日銀はどこまで追加緩和ができるのかが問題
「金融緩和」だけでは経済を立て直すことはもはや不可能といった内容の声明を出しておきながら、今後も粛々と「マイナス金利」主体の追加緩和を「ECB」も「日銀」もどこまでやっていけることになるのかも、大きな関心があつまるポイントとなります。
少なくとも日本の為替介入は一段と難しくなった状況に
このように「G20」 の声明は市場の一部が期待したような協調行動を引き出すことはできず、すっかり防戦に終始した中国の議長国としての力量不足も露見させることとなりました。