年が明けてからテクニカルチャートの底値がどうも信用できない状況が続きましたが、21日移動平均をベースとした日足のボリンジャーバンドでなんとか-1σの中にしっかり納まって終了したドル円は、やっとまともな戻りを試すことができるようになってきております。
29日の日銀政策決定会合までは、上値を試す動きが継続しそうな雰囲気になってきました。
そこで今回の戻りの目安について、テクニカルチャートで予想しておくことにしたいと思います。
上昇トレンドに回帰したとは言えないもののレンジ相場には復帰か
昨年の春先から8月24日の暴落前まで実によく機能してくれたエンベロープ13時間移動平均での±0.3%(1σ)ラインもしくは±0.6%(2σ)での逆張りが、またワークしそうなチャートになってきている状態です。
少なくとも±2σのラインまで到達したところで、一旦は逆張りに反対売買をしても多少はとれそうなチャートの形が回復している状況といえます。
標準偏差やRSIもしっかり機能し始めていますので、下値で買って上値の1σ超えでしっかり売り2σまで到達したら逆張りで参入するという売買が、やっと機能しそうな相場状況となってきています。
チャートでは1月22日のNYタイムで大幅にリスク回避の巻き戻しが強まり、12/18高値-1/20安値のフィボナッチ38.2%戻しの118円86銭に到達しています。
これは発表直後に吹き上がったのにそれ以上、上進することができずに大幅に沈んでいってしまった魔の1月9日雇用統計発表時のレベルに面に合わせる形となっており、売りがそのまま残っていればこの上の119円台にはそれなりの戻り売りが待ち構えていることがわかります。
また、さらにその上では1月6日高値となる119円16銭や、一目均衡表・基準線と重なるフィボナッチ50.0%戻しの119円75銭、さらに100日移動平均線と重なるフィボナッチ61.8%戻し120円65銭が上方向のレジスタンスとして意識されるところです。
しかし、120.65円というのは年初の高値レベルですから日銀の政策決定会合前にここまでするする戻るとは簡単には思えないのが現実で、119円台初頭で戻り売りにどのぐらい押し変えさえるかが一つの注目点となりそうです。
相場全体ではそれほどショートは切れていない印象
外為どっとコムが開示している個人投資家の売買動向では、118.85円レベルや119円、さらに119.20円レベルに戻り売りが待ち構えております。
多くの個人投資家がこのレベルでロングポジションの利益確定を想定していることから、簡単には買い上がらなそうな状況が見えてきます。
また、毎度おなじみのシカゴCFTCの投機筋の建玉明細では1月19日週にも大幅に円ロング(ドル売り円買い)が増えており、週末の118.85円レベルまでのショートカバーでどのぐらいのポジションが減ったかは1月30日未明までわかりませんが、全体としてさらに売りあがっている向きも多いようで、こうしたショートが切れる為にはさらに119円方向にショートカバーが進む必要がありそうに見えます。
これで今週FOMC、日銀政策決定会合を経ても円ロングが減らなければ、腰をすえた円買い筋が存在し、まだまだ円高に動く可能性が見えてくることになります。
とにかくこの年明けからのドル円の下落相場はまったく過熱感というものが感じられず、適当に戻してもまた売りが始まって気がつくと、かなり下まで相場が落ちるという動きを繰り返しています。
でうから、121円以上まで戻さない限りは安心して底値を買い向かえる相場ではないといえそうです。
できるだけ利益がでたらロングもショートも利確を確実にして、ポジションを持つ時間をあまり長くしないことも上下に振らされる相場状況では重要な売買方法となります。
12月の悪夢ともいえる日銀政策決定会合後の相場の動きを再度確認しておこう
ドル円研究所が12月18日の日銀政策決定会合後のドル円の動きをYouTubeにアップしてくれていますので、参考にご覧ください。
アルゴリズムが誤解して追加緩和と間違えて買い上がってから、失望売りで下落するまでの動きは今見直してみてもかなり大きなものであることがわかります。
さらにここにはでてきませんが、黒田総裁の会見でダメ押しの下落もでてしまっていますので、今回も相場の失望を買えばかなりのPIPS分ドル円が下落することを想定して売買戦略を練る必要がありそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)