国内はすっかりクリスマスからお正月休暇入りモードですが、欧米はNY中心に28日から新年入りモードとなり、市場参加者が一気に相場に戻ってくることになります。
ロンドンは28日ボクシングデーでお休みですから29日が本格参入となりますが、これまでの12月の動きとは別の動きをスタートさせる可能性があるため注意が必要です。
12月3日のECB結果で年内相場を諦めた連中が再参入
この新年入り相場で気をつけなくてはらないのは、「ヘッジファンド」も「インターバンク」年末に大やられした「ポジション」を整理してリフレッシュして臨んでいるということです。
つまり多大な損失を作り出してしまった「
ファンドマネージャー」などはすでに市場から撤退を余儀なくされていますし、新年度入り相場に参入できているプロの参加者は12月までのしがらみと関係なく売買をスタートできるところが大きな注目点となります。
したがって年末相場での一定の方向感とは、全く異なる売買がスタートすることについても、かなり注意していくことが求められます。
米国の利上げで主要通貨間の金利差は歴然となったがそれだけでは動かない相場
米国の利上げが開始されたことで、ユーロに対しても円に対してもドル高が進むと考えるのが自然な流れのはずですが、必ずしも為替相場はリニアにその流れを構築していない状況にあります。
特にユーロと円に対するドルの動きは「
新興国通貨」に対するドルの動きとは必ずしもシンクロしないのが大きな特徴となってきており、トレンドが出るのかどうかを見極めてからついていくという慎重さが求められるところです。
市場は新しいテーマを模索中
28日からの相場は恐る恐る市場参加者が他者の動きを見ながら市場に参入してくることになりますが、最初の2週間と1月後半の2週間ではまったく流れが変わることもしばしば起こりますので、かなり注意しながら相場についていく必要がありそうです。
為替市場は明らかに次のテーマを模索中であり、債券市場や「
株式市場」、中国の動きや「
原油価格」などトピックになるものが大きく浮上してくればそれに合わせた動きが明確に示現しますので、何が年初の市場を動かすドライバーになるのかを見極めることが重要になります。
年末のNYダウはドレッシング買いで上昇するの常
年末になりますとファンド勢の保有株式数などが公開されることから、収益性の高い株などを入れ替えて評価額を上昇させたりするドレッシング買いから、だいたい年末までダウは上昇することになりますが、4日からの市場は必ずしもその動きが継続しないことがあり、また、株価に為替が連動して下落することもあることから、細心の注意が必要となります。
年末最終日の「
ダウ平均株価」の終値が今年の初値を下回り陰線引けすることになると、相場の雰囲気は悪くなることが予想され、ここもひとつのチェックポイントとしてみておく必要があります。
社債相場の流動性の低さが株式相場に飛び火することを市場関係者は心配
年末、ジャンク債市場では解約騒ぎがおき始めていますが、なぜか米国の「株式市場」はまったく無視して相場が進行中です。しかしこの相場の問題が大きくなってくると株式相場への飛び火も不可避になりますので、突然市場の動きが変わる可能性があります。
1月第二週にはこうした動きが顕在化する可能性が高く、不意の相場の下落には十分気を配ることが重要になりそうです。
「
サブプライムローン」のはじまりをよく知る市場関係者は今の状況が極めて2007年のパリバショックの前に酷似しているとして身構え始めています。動きがでれば大きくその動きが増幅されることも考えられるため、この時期の楽観視は禁物といえます。
昨年まったく儲からなかった「
ヘッジファンド」勢は
年初から損失を積極的に取り返す動きに出る可能性が高く、1月相場は特にそうした動きからこれまでと異なる仕掛けが登場することも想定されます。くれぐれも2015年の延長として相場を捉えない慎重さをもって売買を進めていただきたいと思います。