昔から私もドル円の動きには悩まされてきました。しかし、ここ最近ようやくドル円の動きに関してわかってきたような気もするので少しだけ解説しようと思います。
ドル円相場と円ドル相場の違い
このことに気づいていない人がかなり多く、ドル円相場を知るためにはこのことをきちんと認識をしなければいけない。そもそも、ドル円相場と円ドル相場のレートや違いを全くわからないという人のほうが多数であろうと思います。
・ドル円相場というのは、1ドル120円という表示になります。
・円ドル相場は、1円が現在であれば0.0082ドルという表示になります。
ただ、単に1円当たりのドルの価格と、1ドル当たりのドルの違いではないか、とほとんどの人が感じたと思います。しかし、その認識は大きな勘違いになります。
ユーロドル相場の計算方法
ここの読者には何度も解説をしましたが、ユーロドルの基準値というものは、
「ユーロのGDP総額÷アメリカGDP総額」で基準値を求めることができます。
なぜ、ユーロドルがパリティーを割ることがないのか、と聞かれれば私は何度もいうようにユーロの経済圏がアメリカの「GDP」よりも大きいのですから当たり前でしょう、と答える他ありません。
また、万が一、ユーロの「GDP」総額がアメリカのそれを下回る場合は間違いなくユーロは加盟国を増やしてくるでしょう。そもそも、「EU」の前身「EC」が発足した根本的なものは戦争を防ぐためが表向きの理由ですがアメリカを凌ぐ経済力をもつのが裏の理由の第一番です。
ですから、ギリシャが脱退してユーロの「GDP」総額が減るのが一番困るのです。現在の基準値が1.05ということはアメリカがユーロよりも単純計算で5パーセント多く成長すればユーロドルは簡単にパリティーをわりますよね。
こういう計算がわかっているといろいろな事情がよくわかりますので、ギリシャがユーロを脱退しないだろうというのはなんとなくわかりますし、世間の人は何も理解していないというのがわかります。
現実問題の解決策は、「GDP」を減らさないためにはどこかの国に併合という選択肢になるのですけどね。
そもそもギリシャの「GDP」の数字自体に疑問を持っているのは誰の目にも明らかなのですけどね。
参考までにギリシャは徴税ができないことに一番の問題があります。税金を払わないで済まそうと思えば抜け道は呆れるほどいっぱいありますし、脱税してもなんだかんだと言って逮捕はされない、というお国柄なのですから。
このドル円相場の解はたしか、現在2.77くらいになります。
円ドル相場は1÷2.77なので0.36くらいです。この数字が現在のレートに近づかないので皆さん頭を抱えるのです。
現在のレートからの考察
今週「日銀」が量的質的緩和を決定しました。私もあまり解釈はわからないのですが、追加ではなく緩和の拡大だそうです。では、それを根拠に考えていきましょう。
今回は日本の緩和ですのでたとえば日本の「GDP」が今回の緩和でどうなるかを考えてみましょう。
言いたいのはドル円レートには、アメリカの利上げなんて全く関係ない、ということですけどね。
話を元に戻し、日本の緩和拡大ですね。3000億円の「ETF」の枠を設けたのです。個人的にはこんなことをやっても無駄と思っていますし、「黒田総裁」自体が「原油価格」がわからないと放言している時点でもうすでにこの緩和は失敗なのですけどね。
このことに関しては言いたいことがいっぱいあるのですけど割愛です。
さて、アメリカの「GDP」が動かないとすると。仮に1000としましょうか?日本は500に仮にしましょうか。
そうすると、ドル円相場の適正価格は1000÷500で求めることができます。日本が今回、緩和の拡大を決めたのですから仮に600になると仮定しましょう。1000÷600で適正価格を求めることができます。
上の回答の答えは2で下の解は1.6くらいですね。円高じゃないですか?また、日本は年明け補正予算が決定して、法人税減税も決まります。ますます、日本の「GDP」が多くなるので現在のドル円レートが円高になったのは簡単に説明がつきます。
現在の基準値は122.4になる!
本当は111円台なのですが、その説明は面倒なので割愛します。この原稿、12/19に書いているのですが、122.4から1パーセント上昇したところで大体レジスタンスをしているのです。
つまり、今回の緩和で日本の成長は1パーセント成長になるというマーケットの判断なのですけどね。
しかし、来年4月の消費増税で何パーセント日本経済が落ち込むのでしょうね。このように、ドル円レートは整合性のある取引になっているというのが現在の結論なのです。
このことを理解すれば、ドル円レートはたいていのことが理解できるようになります。株式は間抜けが円高で売ったので間違いということも理解できます。
(この記事を書いた人:角野 實)