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米大統領選で猛烈に進んだ分断社会

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1月6日の米国ワシントンDCでの上下両院合同議会の開催に合わせるように暴徒が大挙して乱入した事件以来、米国内はかつて見たことのないような不穏な雰囲気が立ち込めている状況で、トランプ大統領は見る影もなく存在感を失いつつあります。

国外から眺めている限り、ここからトランプがなにかを引き起こしそうには見えませんが、米国内ではまるで日本の明治維新前夜に江戸幕府がいきなり朝敵となって追い詰められた時のようなドラスティックな展開が示現し始めています。

このまま1月20日に政権移行がすんなりと実施されることになるのかどうか非常に危惧される状況となってきており、金融市場への影響も懸念されはじめています。

テックジャイアントが言論統制する時代が到来

米国のIT企業大手、いわゆるテックジャイアントはこの1月6日の事件を受けてトランプ大統領やその周辺の弁護士や言論人のネットでの発言を完全に封殺する動きを見せ始めています。

ツイッターやフェイスブックはトランプアカウントをいち早く完全凍結として、多くのフォロワーを削除していますしグーグル傘下のYouTubeは大統領選挙に絡む情報提供コンテンツを削除したり利用できなくする措置をとりはじめています。

さらに保守系言論SNSとして有名なPerlerについてはアマゾンがサーバーの利用を規制する動きとなり、さらにグーグル、アップルの各アプリストアでのアプリダウンロードの扱いが止められるなど、米国のIT大手が大挙してネット上の言論を完全に統制するかのような事態が起きています。

国ではなく民間のIT企業が独自判断でこうした特定の人物のSNS利用等を大幅に制限するというのはこれまでには見なかった光景です。

米系の大手IT企業がすでに国以上の力を持っていることが、まざまざと見せつける状況となっています。

株式市場ではツイッターやフェイスブックのこのような対応を嫌気して株が売られており、少なからず相場にも影響が出始めていることが気になるところです。

民主党はトランプ弾劾を決議

トランプの政権担当期間はすでに1週間ほどを残すばかりとなっていますが、民主党はペロシ下院議長が中心となって猛然とトランプ解任への動きを強めており、今週水曜日にはトランプ在任期間中2回目の弾劾の決議が実施される見込みです。

トランプ米大統領の支持者らが連邦議会議事堂に乱入したのは事実ですが、それがすべてトランプの責任であり罷免すべきなのかという点についてはもう少し冷静な議論が必要と思われるものの、どうもこの議長の行動はいささか過剰なものになりつつあり、賛否両論を呼んでいるようです。

1月20日に何事も起こらないことを願うばかり

先進国の中でも最も民主主義が進んでいると思われてきた米国が、大統領選挙をきっかけにしてここまで国内の分断が進み、政治的にももはや戦争の一歩手前のような雰囲気を醸成していることは正直かなりの驚きです。

トランプが退任しても残された共和党とトランプの支持者が果たして納得いくことになるのかどうかにも注目が集ります。

これがきっかけで国内が内戦のような状況に陥れば、当然株にも為替にも大きな影響が生じることになるわけですから、ここからの動向には目が離せない所に差し掛かっていることがわかります。

今回の大統領選挙は揉めることになるであろうとの事前予測は確かにありましたがここまで混乱することになるとはさすがに想定できませんでした。なんとも不気味な様相を呈した時間帯です。

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