1月6日の米国上下両院合同議会は暴徒の乱入などで激しい動きとなってしまいましたが、バイデン新大統領が正式に誕生し、かつ上下両院が民主党多数といういわゆる「ブルーウエイブ」が実現したことをうけて、株式市場は上昇しています。
本来は民主党政権では増税を嫌気して相場は下がるとされていましたが、実際の市場はとにかく楽観的で相場はむしろ史上最高値を更新しています。
関係があるのかないのかよくわかりませんが、ビットコインはとうとう対円で430万円を超えるといった驚くべき楽観相場を示現しはじめています。
ただし米株相場はヘッジファンド勢が空売りをかけていたのを一斉に買い戻したから上昇しただけであるという見方もあり、週明け以降この上昇傾向が継続できるのかどうかはしっかり見極める必要がありそうです。
足元では債券金利が上昇していることがドル高の要因となり、ドル円も104円台を回復する動きとなっていますが、中長期的に見ますとこの動きから反転するドル安の動きがでることが容易に予想されるところで、相場の変化に注意したい時間帯となってきています。
今回の相場の上昇は、本来昨年11月段階で示現すべきご祝儀相場だったはずで2017年もトランプの大統領就任前にそれなりの調整局面に突入しているだけに、1月相場は株も為替も調整しやすい特徴があることを忘れないようにすべき状況です。
バイデン政権ではドル安20%進行という予測も
シティバンクが直近で発行しているレポートによれば、この新政権の誕生で完全にドル安のシナリオが揃ったことになり、最大20%程度のドル安がごく近い将来に向けて示現することになるとの見方が示されています。
ドル円でいえば103円ベースならば85円といった水準へのドル安が示現する可能性も十分にありそうです。
特に日本政府に対して冷酷な対応を迫る民主党政権下では、バイデン政権がオバマ政権の再来と考えれば、このあたりまでの円高は全く障害もなさそうで、菅首相は100円切れたら介入などを示唆しているようですが、介入などができる状況は到来しないものと思われます。
ここから100円割れがいつ示現するかはわかりませんが、現状では菅政権自体がいつまでもつかわからないかなり危うい状況に陥っていますから、間隙をぬって相場が円高に進行してしまうことも考えておく必要がありそうです。
シーズナルサイクルでは1月は株も為替も低迷相場
本来年間の相場サイクルからいいますと1月は米株、日本株、ドル円ともに2月に向けて低迷しやすい状況にあり、決してここから一直線に上昇しないケースが多いことは意識しておく必要があります。
1月10日は国内では「戎天井」などと呼ばれて急に流れが変わり天底をつけやすくなるなどともいわれますが、米株も11日あたりが重要変化日となっているようで日柄的な問題でセンチメントが変わることには注意しておきたいところです。
さすがに相場が大暴落することは期待できませんが、この週から1月の相場の流れが突然変わることは十分にありそうで、チャートの動きに注目して決めつけの迂闊なトレードだけは避けるべき週といえます。
米国内は極めて不穏な動きになりつつある
米国では6日を境にしてトランプがすっかり国賊扱いとなり、敵にまわしていたグーグル、フェイスブック、ツイッターから手痛い報復を受けています。
情報発信することもままならないところに陥り、もはや見る影もないような凋落ぶりを露見させていますが、トランプを支持してきた7500万人とも言える有権者がこの決着に納得しているとは到底思えない状況で1月20日に何事もなくすんなり政権移行が完了するのかどうかにも注目が集まります。
大統領選をきっかけとした米国内の分断はもはや決定的でこれが相場に影響を与えないでいられるのかどうかにも注目が集まります。