今年も残り1週間となりましたが、この時期、クリスマスの3営業日前辺りに買って仕込むとちょうどいいとされるクリスマスラリーのタイミングが到来してきています。
これは米株相場でよく言われることで国内ではもっぱら掉尾の一新と言われて年末に相場が上昇して終わることのほうが使われています。
クリスマス相場の到来は当然為替にもそれなりの影響があり、ドル円などは株価につられるように上昇することが多いものですが、どうも今年の年末はそうしたクリスマスラリーはS&P500とNASDAQはじり高ながらNYダウは週明けは下落に転じることが多くかなり微妙な状況です。
悪い材料が一気に揃い踏み
今週明け、かなり悪い材料が相場を覆う形になりました。
一つは英国における新型コロナ感染についてですが、既存のコロナウイルスが変異し感染率の大幅にアップしたウイルスが感染の猛威を振るう事態となったことから英国は完全にロックダウン、また隣接する欧州圏もロックダウンとなっており、年末にむけて経済は完全に減退、クリスマスどころの騒ぎではなくなったことで株もポンドも大きく値を下げる形になっています。
またその英国のBREXIT問題も最後の最後で英国側が漁業権について譲歩案を出したことから瞬間米株が上昇するという局面もありましたが、当事者になるフランスはいまのところ完全拒否の状況で、こちらも結果的に合意なき離脱がいよいよ確定してしまいそうな雰囲気です。
米国の追加経済対策に関してはなんとか合意にこぎつけて一安心といったところでしょうが、これはすでに織り込み済みの感が強くこの材料だけをもってして相場が大幅に上昇するといった地合いではないようです。
また既に完全決着となったはずの米国大統領選もトランプの最後のあがきが残っているようで、米国内ではトランプ自身が否定してもしきりに戒厳令の実施が危ぶまれており、そもそもトランプに投票した共和党支持者はバイデン政権の誕生をまったくよく思っていないというかなり大きな問題が残ってしまっています。
来年1月6日の議会に向けてなにか想定外のことが起きる危険性を感じる人はかなり多いようで、こうしたことも相場をすっきりと上昇させない足かせになっていることが考えられます。
株式市場のリバランスもこれからまだ起こる
一方この年末は米株にしても日本株にしてもとにかく史上最高値、29年来高値などを記録していることから分散投資を決め込む年金などの機関投資家、ならびにリスクパリティ戦略を実行するヘッジファンド勢の株式ボリューム調整のためのリバランスがかなり多く出る見込みであり、現状ではまだまだそれが消化されていないところにあります。
これがクリスマス前にでるのかどうか判りませんが、年末に向けてそれ相応の売却によるリバランスの実施が進む可能性は相当高そうでこちらも十分な注意が必要となってきています。
もちりんリバランスによる組み換えや比率の解消は暴落に繋がるものではありませんが、みかけ上はサンタクロースラリーの示現を消す動きとなりますから、やはり迂闊な買い向かいは控えるべきかもしれません。
今年はクリスマスといっても世界的にゆっくり休日を楽しむとか旅行に行くといったことは非常に起きにくい状況ですから意外に市場参加者は最後まで相場に残るという可能性も指摘されていますが、いずれにしても例年とは異なる相場が展開することを想定しておきたいところです。
クリスマス相場への参加を考えるなら28日の週開けからの動きを見てからのほうが間違いない取引になるのかもしれません。