トランプ政権は8日の選挙人の確定日を過ぎていよいよ終焉が確実な情勢となってきましたが、それでも対中攻勢や中東に関する政策には驚くほどの関与度を示しており、相場にも影響することから目を離すことができない状況が続いています。

本来はこの時期は政権移行期であることから終焉する政権側が新たな政策を打ち出すことなどありえないのですが、トランプに限ってはここから最後の40日も出来る限りをしそうな状況でそれこそが今年最後のもっとも大きなリスクになりそうな気配となってきています。

対中政策はすでに戦争寸前のようなすさまじさ

トランプ政権はすでに中国共産党員14名とその家族に対する米国ビザの制限を発表するとともに7日はこの14名のすべての米国内の資産凍結を決定しており事実上国内への出入り禁止と決定的な活動制限を申し渡す形となっています。

中国共産党要人は米国内にも不動産をはじめかなりの資産をもっていますし、スイス銀行とも連携し金融資産の凍結も行うことになるようでもはやこれだけとってみても開戦前夜を思わせる雰囲気になりはじめています。

また12月2日はそれとは別に中国の新疆ウイグル自治区の組織、「新疆生産建設兵団」が生産した綿製品について、強制労働によって生産された疑いがあるとして、アメリカへの輸入を停止する措置をとっており、その制裁範囲はかなり広がりを見せています。

国内では全く報道されていませんが、トランプは12月に入ってかなり長い演説を行い、今回の大統領選挙の不正に中国が絡んでいることを強く訴えており、表向きは香港への圧政などを理由にしながらも実際には選挙に絡んで中国と対峙しようとしていることがわかります。

この制裁が今のレベルで終息すれば大ごとにはならないのかも知れませんが、さらにこの40日間でエスカレートするようなことになれば本当に中国との衝突も避けられなくなるだけにここからの動きには十分注意する必要がありそうです。

中東情勢も一段とキナ臭い状況に

中国とは別に地政学リスクが急激に高まっているのが中東情勢で11月27日にイランの核開発の第一人者と目されていたモフセン・ファクリザデが首都テヘラン近郊で暗殺される事件が起きたことからこれが引き金になって大きな対立が起きることが危惧されはじめています。

イランのザリフ外相はAIを実装した人工衛星で操作された自動機関銃が使用され暗殺が実行され、それにイスラエルの関与を示す重大な形跡があるとも指摘していることから米国を絡める形でイランとイスラエスで軍事衝突が起きる危険性が高まりを見せています。

イスラエルはバイデン次期大統領がイランへの核合意に再度復帰することを示唆していることに非常に反発をしており、早ければ年内に武力衝突が起きる可能性もでてきています。

トランプ支持者が14日の選挙人選挙確定で暴れだす危険性も

さらに心配されるのがトランプ支持者の動向で、今回の選挙では有権者のほぼ半数がトランプに投票し、しかもその半数以上がこの結果を不正選挙であると認識していることから、正式にバイデン大統領決定となった場合に本格的に国内で暴れだす向きが出る可能性も指摘されはじめています。

新型コロナ蔓延の状況ですから、そんなことをしている場合ではないのですが、こちらも非常に心配されるところです。民主党側にも極左の暴力集団だそうとう存在すると言われていますから、双方が市街戦などを行うことになれば不測の事態に発展することも十分にありそうで、かなりの注意が必要です。

株式市場はすっかり新型コロナワクチンの配布開始に湧いており、すでにポストコロナを織り込みはじめていますが、実態経済や政治の状況は全くそうした見通しと乖離をはじめており、どこかでこうした材料を相場が織り込みに行くようになると年内に激しく株価が下落に転じるといったこともあり得そうで楽観は禁物な状況です。

為替がそれに巻き込まれる危険性はかなり高いですから、年末押し詰まったところで大きな損をするようなことがないように十分ご注意いただきたいと思います。