新債券の帝王・ジェフリーガンドラックが治験で95%の効果を発揮したと言われる新型コロナワクチンを開発したファイザーの株を買うつもりは全くないことをネット動画で配信し話題になっています。
内容としてはまず変異が激しいこのウイルスに対して本当にしっかり効果を発揮するのかどうかがまだ全くよくわからないことに加え、副作用の有無もこの時点でははっきりしていないことがあります。
接種希望者についても米国のFDAの調査では無償で接種が受けられたらという条件付きで、接種希望の有無はようやく50%ということですから、市場が想定するほど早くワクチン効果が表れない可能性は十分にありそうであることを指摘しています。
いち早くファイザーのワクチンを導入することを決めた英国では12月8日から政府機関や医療機関などに勤務する人たちから接種を開始することになるようです。
しかし1回の接種だけで効果を発揮するのか、変異ウイルスに対しても効力を発揮するのかどうかのいわば実証実験のようなことになりそうで、仮に結果がうまくいかないことなった場合にはワクチンバブル相場が一気に巻き返しになる可能性を考える必要がありそうです。
短期の開発が粗製乱造に繋がる可能性は否定できない
一般的にワクチン開発は複数年の時間がかかり、なんども治験を繰り返してもなかなか精度が上がらないのが実情です。
今回のファイザーのワクチン開発も他社の例もほとんどは自社開発というよりはバイオベンチャーが開発したものをM&Aで買い取って自社開発案件にしており、治験にはAIを利用して開発スタートから9か月ほどで実用化にこぎつけています。
これがワークするのであれば画期的な状況といえますが、逆にうまく機能しないことが実証実験的な先行導入で詳らかになった場合、確かに関連銘柄すべてに逆風が吹く可能性はありそうで、これがきっかけになって今のコロナバブル相場に冷や水が浴びせらる危険性は相当高そうです。
株式市場はすっかりポストコロナを織り込みに行こうとしていますが、コロナが終焉すれば中央銀行の緩和措置もほどなくして終了することは間違いありませんから、株を支えてきた緩和マネーの供給が終わることは容易に想像できるもので、こちらも相場の下落の引き金となる危険性が高まります。
年内相場がもっても年明け早々に大きな調整も
こうなると足もとの楽観相場が一体いつまで続くことになるのかが非常に気になりますが、コロナワクチンの場合結構早期にその結果が判明することになりますから意外な形で終焉を迎えることになることも意識しておかなくてはなりません。
この材料で年内にバブルが破裂するとは考えにくいものの、年明け早々にも楽観相場に大きな変化が起こることは意識しておきたいところです。
新型コロナの感染が拡大し、事実上の第三波で各国ともに激しい感染に直面しているわけですが、なぜか米国の株価は史上最高値を更新中であり、日本株も29年来の高値に挑戦中です。
実体経済の悪化や経済指標などもろともしない相場が延々と続くことで我々もすでにこの相場状況に麻痺しはじめていますが、どこかでいきなり実態経済側に相場がさやよせしてくる変化が現れる可能性は常に考えておくべき時間です。
株価の大崩れは必ずや為替にも絶大な影響を及ぼすことになります。その引き金を引くことになるのが実は新型コロナワクチンの精度ということなのかも知れません。
バブル相場がいつまで続くのかは誰にも判りませんが、一つだけはっきりしていることはバブルは必ず崩壊するということです。これには例外は一切ありません。