米大統領選挙の結果はほぼ4日には出ない状況に
いよいよ11月3日は米国の大統領選挙投票日です。郵便を含む事前投票はすでに8500万を超えるとされており今回は相当高い投票率が予想されています。
多くの米国のメディアはバイデン有利を予想していますが、2016年にトランプ勝利を予想したトラファルガーグループのサイトを見ますと相当拮抗しており、ややもすればトランプ優勢と見える予想がでています。
https://www.thetrafalgargroup.org/
この調査機関はいわゆる「隠れトランプ支持派」のように社会的にだれを支持していると表明することにより様々な問題に直面したり、不支持派から攻撃を受けることから避けるために一切態度表明をしない向きに対する独特の調査と分析結果を割り出す独自のモデルをもっております。
これが2016年にも大きく功を奏したとされているだけに、今回の選挙でもウォール街などでは俄然注目を浴びているようです。
ところで直近で問題になりはじめているのが事前の郵便投票をしたものを今頃になって変更可能な仕組みを導入している州が多いことで、これでは事実上4日の開票で正確な結果などもとから出てこないのではないかという見方が急速に広がりつつあります。
そうでなくても接戦状態にこうしたトラブルの元が重なることになると、開票による結果の開示は相当遅れることも予想され、大差でどちらかが勝利しないと結局裁判に持ち込まれてしまうリスクもかなり高くなりそうな状況です。
結果の遅れはリスクオフを誘発し株も為替も大きなリスクに
株式市場や為替市場ではどちらの候補が勝つと相場がどうなるかといった予測が中心になっていますが、大統領選挙結果が判明しない、つまり大統領が決まらないという時間が長引くことが実はもっとも大きなリスクになりそうです。
少なくとも1週間、長ければ12月14日の選挙人投票の直前まで司法判断が引っ張られることになりますと実に40日近く不安定な時間が継続することになり、米株は間違いなく下落の方向に動いてしまうことが考えられます。
この場合にさらに気になるのはドル円の動きで、先週の前半はリスクオフで円高になる局面がありましたが果たしてこの大統領が決まらないという状況でドル円がドル高になるのか円高になるのかは実際にその場になってみないとはっきりわからないのが今の状況となってしまっています。
ちなみに以前にもこのコラムで触れましたが、2000年の大統領選の結果が司法待ちになったときには6円近くドル高に動いた実績があり、これと同じような軌跡をたどる場合にはドル買いが圧倒的に有利という可能性もでてくることになります。
ただ同時期に欧州圏では新型コロナ感染の爆発的拡大で主要国がほとんどまさかのロックダウンに踏み切り始めており、ユーロが円に対してもドルに対しても下落すればドル円も円高方向に動く可能性もあり、無闇に相場の方向を断定するわけにはいかなくなっているのもまた事実です。
とにかく動く方向を見定めることが重要になりそう
こうなるとなんとか早く相場でポジションをとることで利益機会を得たいと考えるのは相当危険になりそうで、まずは4日の段階でどういう動きになるのかと結果を見極めてから動き始めることが安全な取引きになりそうです。
海外のFX業者は軒並み株価指数や個別株のレバレッジを一時的に5日ごろまで下げる動きにでており、株式市場中心に相当相場が大荒れしそうなのは間違いない状況です。
当然それに為替も影響を受けることになりそうですから、妙なレベル感で売ったり買ったりしても証拠金を減らすだけということにならない自制心が必要な一週間になりそうです。