国内では「Go TO TRAVEL」だ「EATS」だと浮ついたキャンペーンが実施され、すっかり新型コロナはなんの問題もない事象のような扱いになり、大した問題ではないといった誤解も高まりつつあるようです。
確かに海外に比べますと致死率が非常に低いことがこうした誤解を生んでいるようですが、やはり罹患すればそれなりに治癒したあとも大変なようですし、風邪と同じと認識するのはさすがに大きな間違いのようですが、そのあたりに国民の関心はいかなくなっているのが現状です。
そんな中で、欧州圏ではまた異常に新型コロナの感染が流行りつつあり、いよいよ第三波の冬コロナがやってきた可能性が高まっています。
足元では英国とEUとのBREXIT離脱に伴うFTA交渉が進められていますが、正直なところジョンソン首相もBREXITどころではないようで、英国の新聞社もほとんどがコロナことを大々的に記事にしているようで、死ぬか生きるかは実はコロナのほうが断然重要な問題になっているようです。
ロックダウンがまたはじまっている
コロナ禍では検査を徹底的に行うことで「ロックダウン」をなんとか防ぎたいというのが各国の対応方針になってきたはずです。
しかし足元の爆発的感染流行はそんなことを言っていられない状況のようで、英国とともにフランスも感染が再拡大し、それがドイツにも押し寄せてこようとしているようです。
直近の欧州圏の感染マップを見ますと真っ赤なところが殆どで、色の薄いところもまったく感染がないわけではなく、地続きなので感染が拡大するのは時間の問題になってきているようです。
事実ドイツのメルケル首相はとにかく外出を控え、人と会わないようにを繰り返しており、状況は想像以上に深刻です。
BREXITで揺れる英国ではとうとうアイルランドが本格的ロックダウンとなり、12月1日まで封鎖状態を継続するというのですから春先の状況をはるかに超えていることが感じられます。
今回の感染再流行は景気に対するダメージがさらに大きそう
新型コロナに関してはあまりにも春の時点でさまざまな報道が錯綜し、何が本当かわからないという中で、どこの国民も相当疲弊し、なにより飽き飽きする状況が続いています。
今回の第三波は冬に向けての感染ですから、簡単に収束するとは思えない状況で、景気の悪化と経済の縮減は避けては通り抜けられなさそうなものがあります。
これまでまったく我関せずで、上昇してきた主要国の株価に本格的調整が入るのかどうかにも注目が集まるところです。
とくに国内ではなぜ株価が上昇しているのかよくわからないところもあり、完全に米株の上昇に相関性のある動きをしていただけの可能性は高そうで、ひとたび調整が入ると結構大きな下落になることにも注意が必要です。
為替についてはリスクオフになるとドルと円が買われることから、ドル円は微妙に上昇しますし、リスクオフになるとドル、円ともに売られることからこれまた動きが緩慢なものになることが多くなっています。
米株が崩れだした場合には相当為替にもダメージが来ることは避けられそうもなく、年末に向けて円高が進行することも考えておく必要がでてきているようです。NASDAQの株価はすでに3月からの上昇でエリオット波動の5波動目をすでにつけて、下げの3波に入っているという見方もありますので、ここからの相場の動きにはかなり注意が必要です。
すでに米国大統領選挙まで2週間となっていますので、どの市場も相場はあまり大きく動きが出ない時間帯を迎えていますが、新型コロナがそれをつき動かす材料になることも考えておかなくてはならないところに来ているようです。
1918年のスペイン風邪の時には、流行、一時収束と何度か繰り返して完全消滅するまでには2年以上の時間がかかっており、今回の新型コロナを考えますと来年どころか再来年まで続くことも考える必要があり、予断は禁物です。
株価が実態経済にサヤ寄せして大きく下げる局面も意識しておく必要がありそうです。