いよいよ米国大統領選挙までちょうど2週間という時間になりました。
株式相場はそれなりに動いていますが、為替相場は大口投資家が完全に様子見となっていることから、ポンドのようにBREXITの問題をかかえて要人発言に揺れ動く通貨でないとほとんど大きな動きが出なくなっております。
短期の投機筋のようなプレーヤーしか相場に登場しないことから、売ったものはどこかで買い戻しになり、買ったものも必ず反対売買がでるため、どうしても相場はレンジになりがちな状況です。
恐らく11月3日まではよほど特別な材料がでないかぎり、この調子で展開する我慢の時期を迎えているように見えます。
大統領選はバイデン有利とされてきましたが、ここへきて息子のハンターバイデンのウクライナでのよからぬメールがでてきてしまったりして、多少様子がおかしくなりはじめています。
しかし今回は郵便による投票がかなり進んでいることから、ギリギリになってスキャンダルがでても実は投票には影響が出ない可能性もあり、選挙結果は依然微妙な状況です。
今回のこの大統領選挙は誰が勝利するのかもさることながら、いつ大統領が決定するのかが非常に大きな問題になりそうで、3日の投票後からの相場が荒れることを心配する必要がでてきています。
裁判にもちこまれたのは2000年のブッシュとゴアの戦い
今回の大統領選居は「郵便投票」が採用されていることから、期日までに届かないとか数のカウントを巡って複数の州でかなり大きな問題が起きそうな気配濃厚になりつつあります。
トランプ自身はすでに今回の選挙は連邦裁判所が最終的に決定すると公言しており、対する民主党もすでに300人以上の弁護士を集めて広範な裁判闘争の準備をしているようです。
したがって選挙結果を巡って、誰が大統領になるのかはすんなり決まらなさそうな状況が一段と強まりつつあります。
大統領選の結果、大統領が決まらないという話しになると思い浮かぶのが2000年のブッシュとゴアの戦いです。
マイアミをかかえるフロリダ州での開票結果が0.5%という接戦になったことから、最終的に司法判断に持ち込まれましたが、フロリダ州最高裁判所が最終的に票の再集計はできないと判断。
投票から実に1か月強も遅れた12月13日にゴアサイドが負けを認めることで、ようやく決着を見るといったかなり厳しい展開となりました。
今回の場合、問題が起きるのは1州とは限りませんので同時多発的に集計の問題が生じるようであれば、司法判断に持ち込まれることになっても相当な時間がかかるでしょう。
またトランプが最後までごねることになると、異例の年明けまで決着がつかないという異常事態に陥ることも考えられ、誰が当選するのか以上に大きな問題が生じる危険性がありそうです。
大統領が決まらず大きく相場が下落する可能性も
ちなみに2000年のケースでは選挙後NYダウは結構乱高下を繰り返すことになり、同年11月の最高値から瞬間的に10%近い下落に陥ることもあったようで、今回の大統領選挙でも同様の問題が起きかねない状況です。
■2000年大統領選挙年のNYダウの動き
2000年はそもそもITバブルの崩壊の年ですから、決して相場のコンディションもよかったわけではありません。
足元のNYダウでいえば史上最高値を更新した直後の水準を維持していますから、ここから10%も株価が下がった場合値幅はかなり大きなものになることが考えられ、十分な注意が必要になりはじめています。
例年10月末は株も為替も買い場で年末に向けては上昇するというハロウィンエフェクトなどと呼ばれる時期に入るわけですが、今年の場合には必ずしもこうしたシーズナルサイクルが発揮されない可能性が高そうで、とにかく選挙後相場がどう動くことになるのかに神経を集中させる必要がありそうな状況です。