ビットコインの価格が100万円に近づくほど大きく上昇しています。相場の動きが速いだけにこの原稿が掲載されるころにはすでに100万円を超えている可能性もありそうです。
国内ではビットコイン価格の上昇にあわせて各取引所ともに口座開設が相次いでおり、市場の関心がまたビットコインに集まりつつあることを感じさせられます。
しかしひとつ異変が起きているのは取引量の問題です。
各取引所ともに千件単位で口座開設者が増えているにも関わらず取引ボリュームは大きく伸びておらず、かなり市場参加者が慎重になっていることがわかるというのです。
しかも現物取引よりもビットコインFXでの取引を好む層が増えており、必ずしも買いだけではなく上昇しきったら売りから参入するつもりの参加者も増えていることを示唆しているといえます。
売りも買いもあるから流動性が保たれる
ビットコインの現物が抱える大きな問題は、これまで市場参加者のほぼすべてが投機目的で買いを入れていたということです。つまりBuy & Holdが基本で価格が下がると塩漬けにして値上がりを待つという動きが非常に強かったわけです。
しかも価格の下落局面では、皆が売りに走ることから流動性が枯渇して必要以上に下落してしまうという動きになるのが常でした。2017年末の上昇以降も似たようなもので、大口の保有者がいきなり売りに回ることがあると相場は驚くほど下がるという非常によろしくない状況に陥ることになってしまったわけです。
しかし仮想通貨FXの取引者が増えるということは最初から買いだけではなく売り目線のトレーダーも市場に参入しますので、適度な流動性が保たれることになり、ショートが溜まり過ぎればショートカバーもでるという非常に健全な相場に一歩近づくことになるのです。
多くのビットコイン投資参加者が現物ではなく証拠金取引を選択し始めているというのはこうした状況をよく理解し始めたことがその理由になっているものと思われます。
もはやビットコインは安値で仕入れて高値で売るだけが投資ではなくなりつつあることが定着し始めているともいえるわけです。どうやらビットコイン投資の市場も次のステージに入ってきていることを強く実感させられます。
こうなると相場の循環も生まれますから上下に動く機会も多くなり、より投資利益を得られやすくなることが期待されます。ここからのビットコインの動きに引き続き注目したいところです。