読み込み中...FRBが利下げをしたことが全く効かずに大きく下げた米株市場は翌日一転して暴騰となりNYダウはなんと1173ドルまで上昇する展開となりました。
しかし過去の事例から考えますとこういう猛烈な下落と上昇が交互に起きる日替わり相場というのは行きつく先はろくなことがないのが常で、じり高で上昇する相場は安心して乗れますが、今の相場に乗るのは明らかに投げと踏みの応酬に巻き込まれることから、かなり躊躇する状況になってきています。
ドル円は株価と米債金利の双方に反応
■ドル円1時間足
株の事ばかり気にしていても為替の取引に繫がりませんのでドル円を見てみますと、確かに株の暴落時は確実にそれと連動して下げる形になりましたが、107円台からは米国10年債の金利低下が106円台にまで押し下げる動きとなっており、ドル円は株にも債券金利にも影響を受けていることがわかります。
また4日のNYタイムのように株が大幅に戻してもドル円は必ずしもそれには連動してついて行かない状況で、下落のタイミングは株価次第ですが、上昇は必ずしも株ではなく東京タイムにPKO軍団が買い上げることのほうが大きな相場の動きになっていることが見えてきます。
4日の東京タイムの始まりで無理やり107円中盤まで相場を押し上げたのは間違いなくPKO軍団の仕業のようで東京タイムだけは独特の動きをすることにはかなり注意が必要になりそうです。
今のところ十分に引き付けた戻り売りがワーク
足もとの相場では106円台に突っ込むと慌てて買い上げる向きが東京タイムに出現しますからとにかく底値で買って待てばそれなりの利益が取れます。
ただそれ以外はショートカバーなどで噴いた相場は必ず垂れてきますから戻り売りはかなりワークする状況で、このあたりはじっくり相場を眺めてみるとそれなりの利益にありつく事ができそうな状況になってきています。
雇用統計を控えてどのレベルまで相場が戻るかも気になるところですが、もっとも肝心なのは先週の相場暴落、そして週明けのFRBの利下げを受けた暴落とその後の大幅上昇という状況で金融市場は激しく揺れ動いているものの、肝心の新型コロナウイルスのほうの状況はなんら改善しているわけではないのですから、これから状況が悪化した場合にはそれなりの下落が再度示現する可能性はかなり高く、あまり安心してはいられないことだけは相当意識しておく必要がありそうです。
足もとの相場の大幅下落はやはりAIが主導して引き起こした可能性はかなり高く、AIを駆使して下落相場を先導したと思われる大手証券系は第一ラウンドの売りを既に終了しているとの情報も届き始めて居ます。
ただまた上昇すれば同じ暴落スキームを持ち出してくる可能性は高そうで、裁量で取引するトレーダーは一時的な相場の状況から楽観視した取引をするのはまだまだ危険なようです。
国内では3月末決算ということもあり、株式市場はなんとか価格を盛り返したいところでしょうし、輸出勢の利益を考えた場合多くの企業が設定していると言われる為替の想定価格107円後半レベルはなんとか維持させたいという動きがでることも考えられます。
ただ、こうした人工的な相場の取り組みは無残に崩されることも多いだけに迂闊に乗るのは危険そうで、短時間に利益をとるような取引に終始することがこのリスキーな相場の乗り切り方になりそうです。
ここまで大きな損失を受けずに相場を乗り切れた方はとにかく無理をしないことが重要になりますし、運悪く損失を食らった方は無理して短期間に取りかえそうと力まないことが大切です。向きになってもこうした相場はほとんど意味がありませんから落ち着いてトレードすることが重要です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
