■NYダウ過去1か月間の推移
米株相場は暴落明けの3月第一週、前週大きく下げたのを受けてさらに下落を続けたものの日替わりで1000ドル上げたり下げたりするという猛烈に荒いボラティリティの展開となりました。
FRBが利下げを実施したわけですが、結果的に相場は全くそれを好感することなく大きく下げる結果となりドル円もそれにつられる形でとうとう週末雇用統計前に105円割れを示現するというかなり厳しい相場展開となりました。
■ドル円1時間足一週間の推移
アナログチャート分析が驚愕の状況に
ところでアナログチャート分析という手法を使って足元のNYダウの動きを見てみますとなんと1929年の世界恐慌における相場の動きに酷似していることがわかりかなり話題になりつつあります。
ブルーのチャートが足元のNYダウの動きでアナログチャートというのはスケールこそ違うものの物理的に重ねて比較することでこの先の相場を占うものとして活用されているのです。
このアナログチャート分析のモデルは1980年代、チューダーファンドの副社長だったピーター・ボリッシュ氏が独自に考案し市場に発表しましたが当時は相場が大きく上昇過程にあったことからあまり相手にされないままの状態となりました。
しかし、1987年のブラックマンデーをこのチャートがずばり当てたことで脚光を浴び、その後もウォールストリートでは一目置かれる分析となっているのです。
30年以上経っても米国ではこの分析手法は、相場は一定のパターンを繰り返すという相場のフラクタル構造や相似性が投資ファンドなどから重視されており、多くのファンドマネージャーが強く注目している状況が続いています。
足もとのNYダウの相場の動きが1928年から始まる世界恐慌におけるNYダウの当時の相場の推移にかなり似通っているというのはなんとも不気味ですが、3月第一週の相場の動きをみていますと必ずしも間違いではなさそうな雰囲気になりつつあり、かなり注意が必要になってきています。
NYダウはトランプ政権スタート時ぐらいまで巻き戻す可能性
このアナログチャート分析が見事に当たった場合、NYダウはまず近日中に2万3000ドル程度まで下落することが考えられますし、その後上下同を繰り返しながら将来的には1万7000ドル近くまで下落することが予想され、かなりショッキングな内容になってきています。
あくまで近似形ということですからまったく同じように動くかどうかはあてにはなりませんが、似たような状況になるとすればとんでもないことが起こりそうで怖くなります。
為替に関して言いますと国内のPKO部隊が登場して105円割れに至る前にかなり買い支えるのではないかと期待していたわけですが、実際にはごく一時的ではあるものの104円台に突入するという動きをみせていますから、今後FRBがさらに利下げを行うという期待が高まっている以上ドル円が100円方向を目指す可能性は高まりそうです。
個人的な見方ではここから100円を下抜けるほどの勢いはないと考えますが、現状レベルになることも実は想定できていませんからさらに下方向を時限する可能性は否定できない状態です。
市場では最終的に95円レベルにまで落ちるのではないかといった極端な予想もではじめていますので果たしてどうなるか注目ですが、オーバーシュート気味に動けばあり得ないレベルまで下落することも考えておかなくてはなりません。
トランプ政権も新型コロナウイルス対策にかなりの予算を取り始めて居ますが、財政赤字が大きくなる一方ですからドル安圧力をこのタイミングにかけてくるようになれば確かに95円などというレベルも夢ではなさそうで、週明けからの動きにも注目が集まります。