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ブラックマンデー2.0か?世界恐慌2.0か?

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足もとの米株相場はリーマンショック後設定されたサーキットブレーカーが初めて発動されることとなり、物理的に相場の下落が止まった形になっていますが、これで下落が終わったとは思えない状況で、ここからどこまで下落するのかが大きな注目点になりつつあります。
NYダウのサーキットブレーカーは・・
・Level 1: 7%下落で15分の取引停止
・Level 2: 13%下落で15分の取引停止
・Level 3: 20%下落でその日は残り時間全て取引停止
となりますから、暴落が起きれば相場が完全にストップしてしまうことも考えられるわけです。
過去のフラッシュクラッシュを防げなかったことを教訓として、こうした仕組が投入されたのは紛れもない事実ですが、相場の暴落に対しては見かけ上の気休めにしかなっていない印象は強く、ここから、まだまだ下げるリスクは全く低下していないのが正直なところです。

ブラックマンデーの再来か世界恐慌の再来か?

今回の暴落の基本的な引き金は新型コロナウイルスですが週明けの相場暴落はそこから派生して原油の減産がうまくいかなくなったこと、あるいはサウジアラビアの思惑で米国のシェールオイルやロシア攻めのための大幅原油価格下落が相場暴落を大きくけん引した感があります。

市場では1987年のブラックマンデーの再来で大幅な下落は絶好の押し目買いのチャンスと見る向きがいる一方で、すでにこのコラムでもご紹介していますように世界恐慌並みの大幅下落へと進展する可能性も捨てきれない状況になっています。
これが過去10年以上に渡って繰り広げられた中央銀行バブルの終焉ということになるのであれば、この間に中央銀行が押し上げた「人工相場の価格上昇分」が一気に剥落するリスクは相当高く、また新型コロナウイルス起因で実態経済が猛烈に悪化していることを考えますと、単に金融市場で瞬間的な暴落が起きてもとに戻ると考えるのには相当無理がある状況です。
仮に中央銀行バブルの崩壊が現実のものになっているとした場合、どこまで巻き戻すことになるのかが非常に大きな問題になりそうです。
アベノミクスのスタート時点ではなんとドル円は88円台を彷徨っていただけにこのレベルに巻き戻ることも十分ありうる状況です。
国内景気に目をやりますと昨年10月~12月の実質GDP改定値は速報値よりもさらに悪くマイナス7.1%を記録していますから、新型コロナウイルスの問題がなくても本邦経済は相当な落ち込みです。
それに新型肺炎が追い打ちをかけているわけですから、確実に二桁のマイナス成長も覚悟しなくてはならないところで、瞬間的な下落で相場が落ち着くと考えるのは早そうです。
既に相場は相当傷み始めて居ますし、下落局面ではパッシブファンドが躊躇なくポジションを損切りしてきますから必要以上の下落が示現することも多く、資金繰りの問題から金など上げている商品すらも売り困れる最悪の事態はかなり近づきつつあることを感じさせられます。
確かに暴落相場は底値で買うことができればそれなりの利益にありつくことができるわけですが、足元がそうした状況であると断定するのにはかなり無理があり、今しばらく見守る必要を感じます。
残念ながらテクニカル分析は今のチャート状況では完全に壊れた状態になっており、オシレータ系なども使い物にはなりません。
せいぜい水平線を引くことで過去の価格との比較を見て行くことにならざるをえませんが、それもAI実装のアルゴリズムがかなり大きく値動きを増幅させていることからとかくオーバーシュート気味になりがちでもう一つ信用できないものがあります。
我々個人投資家としてはもう一拍待って相場の動きの方向がでてから市場に参入することを強くお勧めします。
(この記事を書いた人:今市太郎
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