米株のほうは相変わらず新型コロナの感染者、および死亡者の推定人数などにかなり厳しい数字が飛び出すたびに売られる展開です。
決してもとの相場に戻っているわけではありませんが、それでも3月につけた猛烈な底値が今のところ一番底として機能している状況ではあります。
もちろん再度二番底狙いの動きがここから出る可能性はまったく否定はできませんが、ここから全く何が起きるか判らないという混乱の時間帯は少なくとも経過した感があります。
日経平均はNYダウなどとの相関性が強く、今のところ下落しても同様に上げたり下げたりを繰り返していますが、年度末の無理やり買いが剥落して、若干下げのほうが厳しい状況になりつつあります。
しかしリアルな国内社会は想像を絶するほど経済活動がシュリンクし始めており、新幹線はガラガラ、飛行機も便数が劇的に減っており、沖縄のホテルなども予約が入らずに開店休業という恐ろしい状況に陥りつつあることが見えてきています。
金融市場だけ見ていますと一旦は大暴落の危機から脱した感がありますが、実態経済の悪化はむしろこれからであり株価に影響がでるのもまさにここからとなることから、相当心配すべきところに差し掛かっていることがわかります。
国内でGDPが3割減少、その8割が個人消費ならリテール壊滅
米国の四半期GDPに関してはかなりの数の金融機関のアナリストが積極的な分析予想を繰り広げていますが、なぜか国内に関してはあまりそうした分析予想が出てこないのが実情です。
しかし米国でさえ3割のGDPが一時的にせよ縮減するとなれば、日本国内でも軽く年率で30%程度のGDP縮減が現実のものになる可能性は高そうで、これが1四半期ではなく2四半期以上になれば本当に50兆から60兆円といった個人消費主体のGDPの減少は夢ではない状況です。
こうなると実態経済への影響は想像を絶するレベルに陥ることは間違いなさそうで、日本株は米株の状況とは関係なくここから自律的に大幅下落の道をたどるリスクが高まってきていることを感じます。
今のところこれからの下落は二番底を探る動きとみられがちですが、実はさらに大底をつけにいく大崩壊の動きとなるリスクは十分にありそうで、かなり注意が必要です。
98年の増税の時も40兆円という巨額の真水による財政出動があってようやく株価は4割下落で済んでいますから、本来なら1万4000円台まで下落してもなんらおかしなことはないわけで、3月の下落が大底を見ると大間違いになるリスクが顕在化しつつあります。
本邦が世界最大の新型ウイルス敗戦国か
昨日のブログでもお伝えしているように米国は既にウイルスと向き合う戦時内閣の体制を整えています。
日本の場合まともにPCR検査は行われない、だれが罹患者なのかまったく把握できない、感染経路もほぼ判らない状態の中で「布マスク2枚」を100億近いカネを使って5000万世帯の国民にお届けしようとしているわけです。
主要国と様子が全く違うのは確実で、このような体たらくな対応が新型コロナの被害を莫大なものにする危険性が高まっていることは多くの国民がまさに足元で感じている状況ではないかと思います。
こうなるとリアルな経済へのダメージは相当なものになり、国民生活もまさに戦争に負けたかのような状況に陥りそうで、相場がガタガタになるのは時間の問題に見えてきます。
今回の新型ウイルスは世界同時進行ですから、その結果いかんではドル円もドルが売られるのか円が売られるのかははっきりしない状況に入りそうですが、ややもすれば日本売りというものがはっきりしてくるリスクも十分に考えておく必要がありそうです。