非常事態宣言がでて不要不急の外出を控えるように言われているうちにとうとう今年もゴールデンウイークに突入ということになりました。
もともとリモートワークや自宅待機をされている方はあまりメリハリがないままに休み入りしてしまい、ゴールデンウイーク感というものがほとんどないのかもしれません。
しかし、外国人勢は本邦の投資家が一斉にお休みになるタイミングを狙ってまた仕掛けをしてくる可能性が高いです。
足元ではレンジで動かないのんびり相場でも、この連休中の休みに乗じてとんでもない動きが示現する可能性もあるだけに相当注意が必要になりそうです。
そんな中でこの連休もっとも注意したいのが「南アランド円」や「トルコリラ円」のロングでお馴染みの高金利・新興国通貨の動向です。
南アやトルコの格下げが出ると大変なことに
■トルコリラ4時間足
既にメキシコは格下げを食らっている状況ですが、ここから心配なのは南アフリカやトルコが格下げになることで、仮に1ノッチでもここから格付けが下げることになると対ドルで南アランドもトルコリラも大きく値を下げることが予想されます。
とくにこのコラムでもすでにご紹介しているとおりトルコリラは金利も引き下げて相当具合の悪い状況になっております。
その一方、スワップ狙いで莫大なロングが依然として市場に残っていることを多く、その投機筋が十分すぎるほどよく理解している状況です。
ドルトルコリラが買い上げられ、しかもドル安が示現するようですと、驚くほどトルコリラ円が下落する危険性があり、それに大きく引きずられる形でドル円も下押しを受ける可能性が高まります。
いまのところ4月末から5月初旬に格付け見直しという情報はありませんが、メキシコに対して格下げが行われたことを考えますと、トルコなどはいつ格下げになってもまったくおかしくないものがあります。
仮に格下げは免れてもドルトルコリラを短期投機筋が作為的に買い上げる動きを強めた場合には、ドル円の下落を含めた大きな動きがでかねませんからかなり注意が必要です。
通常ドル円だけで暴落を引き起こすのは相当難しいものがあるものですが、2019年正月のフラッシュクラッシュもトルコリラ円の下落から始まったとされています。
それだけに市場参加者の極めて少ないときにはこうした故意の動きを示現させるのはそれほど難しくなさそうで、本邦勢のいない連休の時間帯は相当な注意が必要になりそうです。
平時で考えても過去20年間ドル円は夏に向けて下落傾向に
■円のシーズナルサイクル Data EquityClock.com
今年はすでにドル円は11円以上動いてしまい上値も下値も大きく試す動きとなっています。
過去のシーズナルサイクルが参考になるかどうかはまったくわかりませんが、5月から夏場にかけては円高方向に動きやすいのか過去20年の平均からみてもはっきりわかるだけに、何もなくてもドル円はドル安円高方向に動きやすい時間帯に入ることになります。
これは投資的な動きというよりは実需に起因した動きを示現させているものと思われますが、果たして今年は同じような軌道を示すことになるのかどうかが気になるところです。
主要国各国が史上空前の緩和に乗り出している関係もあり、金利という部分だけではほとんどドルもユーロも円も変わらない状況から方向感はまったくつかめないままに狭いレンジ相場が延々と継続しはじめています。
新たにまた再始動する瞬間が近づいてきているようで、いつ動いてもいいように用意をしておくことが肝要な時間帯になっています。
今年のゴールデンウイークも十分に気をつけ、上値を狙うにしても下値を狙うにしても、まさかの時のストップロスをしっかり入れて証拠金を守ることをお勧めしたいと思います。
(この記事を書いた人:今市太郎)