ECBとは欧州中央銀行のことで、ユーロ圏で採用している単一通貨である「ユーロ」を通じた金融政策を担う中央銀行のことを言います。ECBはEUの主要機関のひとつに位置づけられています。
為替の世界でECBが注目されるのは、1か月に1回開催される政策金利と金融政策の決定会合後の発表と、その後の議長の記者会見です。
ECBの総裁は、1999年に初代となった「ウィム・ドイセンベルク」 2003年11月から「ジャン=クロード・トリシェ」 2011年11月から現在まで「マリオ・ドラギ」が務めております。
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ユーロ安への誘導
2010年末からの「ソブリンリスク」をなんとか乗り越えたECBですが、域内全体としてディスインフレからデフレへと足を踏み込みそうな状況に陥っていることは確かであり、しかも頼みの綱で経済を牽引してきたドイツも、ここへ来て成長が息切れ状態となっている現状があります。
そのため、大幅な金融緩和を次々と打ち出す状況となっており、ユーロ安に向けても、この決定会合の行方が非常に注目されるようになってきているのです。
特に過去の日本の例を見ても明らかな通り、デフレ国は通貨高に振れ易くなっていることから、いかにECBが金融政策でユーロ安へと誘導することができるかに注目が集まっています。
すでに、2014年9月の政策決定会合で金利引き下げも断行しており、残されるのは米国的なQEの実現が期待されますが、EU自体は複数国の集合体であることから、ECBがどの国の国債から買上げるかは大きな問題となっているのです。
米国や日本のように簡単にはQEをスタートできないのではないか?という懸念も出されていることから、今後の動向に注目が集まっています。