貿易赤字とは、貿易の輸出入のうち輸入超過のことを指しています。
通常は金額ベースでの表示になります。逆に、輸出超は貿易黒字となります。
貿易赤字は貿易収支のカテゴリー
貿易黒字・赤字というのは、貿易収支というカテゴリーの中に含まれています。これは、通常、BOJと経産省が共同で月次毎に発表をしています。
また貿易収支は経常収支というカテゴリーに属しており、その大枠は国際収支になります。簡単に説明すると。国際収支のカテゴリーは、経常収支、資本収支、外貨準備高になります。貿易収支はその経常収支の中に属するものです。
この貿易収支がよくマスメディアで報道されるのは、誰でも義務教育の時に習うものになりますが、日本は貿易立国になるからです。すなわち、貿易立国ということは、輸出が堅調に伸びているときは日本の国力が強いことを意味します。
反対に現在は、貿易収支が赤字になりますので、あまり日本の国力は強くはないという意味になります。
ただ、昨今、TPPの問題があるように、貿易は世界各国の問題になります。考えてみれば、平清盛の日宋貿易や、織田信長のキリシタン等、貿易はその時の政権の権力基盤を強固にします。政権だけではなく、その国を発展させます。明治維新は、なぜ成功したのかといえば鎖国から開国に走ったからになると思います。
ですから、日本だけが貿易立国ではなく、TPPを強く提唱するアメリカも貿易立国になります。貿易は日本のみならず、世界共通の関心になります。
貿易赤字が続くと
貿易赤字が続くと、日本から資本が減っていくことになります。
しかし、円安効果により、逆に外国人がM&A、株式、不動産等に投資の買いが入ります。この外国人の投資を資本収支の直接投資といいます。貿易+資本収支で経常収支となります。日本人は貿易赤字により、円安になることを望んでいるようですが、バカな願望だと思います。
通貨安の国から日本に出稼ぎに来ている外国人が口ぐちに母国は稼げないけど、日本は稼げるといいます。このまま円安が続けば、将来、日本人も出稼ぎに行かなくてはいけない時代になるかもしれません。
ですから、この国の為政者もそれほど先見の明がないわけだと思いますので、この円安がいつまでも続くと思うのは間違いになります。