CRB指数とはアメリカのコモディティー・リサーチ・ビューロー社が開発した商品指数になります。
主に、商品相場に上場されているものを指数化した指数になります。
この指数はインフレ指数とも言われ、金融政策の重要な指標ともなりえます。
CRB指数の概要
あまり存在を知らない方も多いと思いますが、商品相場は株式市場や通貨市場よりも歴史は古くなります。日本の商品市場は大阪・堂島のコメ相場が発祥の地になり、そのころ、酒田罫線なども発明されています。
しかし、昨今の日本の商品市場は不祥事の連発によって監督官庁の経済産業省、農水省の規制によって大きく商いが落ち込んでいる状態になります。戦前は、証券取引所よりも多く商品取引所が日本各地に存在しました。産業の振興に伴いそのリスクのヘッジのために商品取引が活発になります。
現在の中国も、商品市場が隆盛を極めている状態は昔の日本とそっくりの状況になります。
しかし、時代の変化とともに、株式市場にはインデックス取引、通貨市場にはドルインデックスを筆頭に指数取引があるように商品市場にもインデックス取引を渇望する声があがり、CRB指数の登場となりました。
つまり、商品市場を指数化したものが国際化標準のCRB指数になります。通貨ではロンドン、証券ではアメリカが主要市場になりますが、商品市場の本場はシカゴになると思います。世界最大の商品取引所はやはり、シカゴ、ニューヨークになると思います。
CRB指数の重要性の低下
かつてはCRB指数イコールインフレ指数と呼ばれるくらい密接な関係性がありましたが、昨今はそれほど重要視されていません。
これは、まず、商品相場の本場がアメリカであるということになります。商品相場の本質はドルの強弱にあり、これは、ドルが貿易上の主要な決済通貨ということが要因になります。
しかし、昨今は、情報革命によりどこの市場でも瞬時に値段が一緒になってしまうので、その意味をなさなくなり、どこかで需給を覆すような事件が起こっても瞬時にマーケットに反映されてしまうのが商品市場の衰退の原因になります。
つまり、ドルの強弱によってしか値段の推移が起こらない可能性のほうが大きくなっているのが原因になります。昔は需給によって投機性の強い市場になりましたが、今はほとんどドルの強弱によってその価格決定がなされています。
今年前半の原油の暴落などは結局の一番の要因は、ドルが暴騰したことが一番の原因で、OPECが減産しないのもドルが強いことにあります。
しかし、先進国の金利がどこもゼロになりますので国債に変わる安定的な運用手段として人気の投資先にはなります。