法人税とは、企業の利益に対して課せられる税金です。個人の所得に対して課せられる所得税と似たイメージの税金です。
日本の法人税は高水準
グローバル企業が増加する中、企業は税金の安い国に立地する傾向があります。そのため、新興諸国を中心として、法人税率を低く抑える動きが見られます。税率を下げると企業の利益総額が同じであれば法人税収が下がってしまうのですが、税率引き下げによって企業の立地が増えれば、トータルでの法人税収が増えるとの考え方です。
また、新興諸国では海外企業の技術の流入や、国内における雇用の創出などにも期待して法人税を引き下げることがあります。
新興諸国を中心とする法人税引き下げに対応する形で、日本を含めた先進諸国も法人税率を一定程度下げなければ、国際競争力を失ってしまいかねません。
ただ、先進諸国では少子高齢化に伴う社会保障費の増大が財政を圧迫しているところが多いため、法人減税の財源確保が困難となっています。
法人税の引き下げにより個人負担が増加すれば、国民の不満が増大しかねません。そのため、法人減税を目指す各国では、国民の反発が比較的小さいと考えられる高所得者向けの増税などに取り組んでいます。
景気に税収が左右されやすい
法人税は企業の利益に対して課税されるため、景気変動によって税収が大きく変動します。
もっとも、一定の条件を満たす大企業には、赤字であっても法人税を課すなどの仕組みがあり、税収の急激な変動をある程度抑える仕組みはあります。
ただ、消費税などと比べると、景気悪化時には税収が大きく減少します。したがって、国の財政を考える場合には、法人税収に過度な依存をすることはリスクが伴います。