CPIとは「Consumer Price Index」の略称です。日本語では「消費者物価指数」と訳されます。
さまざまなCPIが存在
CPIと一口に言っても、さまざまな種類があります。というのは、CPIに含まれる品目のうち、気候や政情の変化によって大きく価格が変動しやすいものがあるからです。
気候によって価格が変化しやすいのが生鮮食品です。天候不順が続くなどして作物の生育が悪くなれば、供給量が減少する結果として生鮮食品の価格は上昇します。
逆に豊作であれば、「豊作貧乏」という言葉にみられるように、供給量が多くなり価格は下落します。そこで生鮮食料品をCPIから除いた指数として、コアCPIが存在します。
また、政情の変化による影響を強く受けるのが、資源価格です。そこで、食料やエネルギーの価格を除いた指数に、コアコアCPIがあります。このように複数のCPIがありますが、インフレ率を考慮する場合にはコアCPIを用います。
もっとも、インフレ率がマイナスとなっていても、エネルギー価格の下落が主因であるなどとして、コアコアCPIが議論に持ち込まれることもあります。
生活感覚とずれが生じることも
インフレ率の算出に用いられるコアCPIですが、一般国民が生活している物価上昇率とは異なる結果が出る場合があります。
というのも、CPIの計算に当たっては新たに家計で購入されることが多くなった品目が組み入れられていない場合があるからです。
もちろんCPIも実態に即した統計データとなるように、一定期間ごとに調査対象とする品目を見直しています。しかし、新たに購入数量が増加してくる品目は、供給量が比較的少ない初期段階において高めの価格となる傾向があります。
実際にCPIに組み入れられる段階では価格は落ち着いていれば、組み入れられるまでは家計がCPIの上昇率以上に多くの負担を強いられていたことがわかります。