ブラック企業とは、適切な雇用契約を締結せずに従業員を使用したり、長時間にわたるサービス残業を強要したりする企業です。
景気が悪化するとブラック企業が増えやすい
景気が悪化する局面では、就職口を探し回っている人の数が多くなります。そのため、多少労働条件に不安があっても、就職を決めてしまう確率が高まります。ブラック企業はこうした労働者の焦りに付け込む形で、少しずつ違法な労働をさせて繰る場合があります。
例えば、働き始めた当初は残業時間が限られており、残業代もきちんと支払われていたのに対して、次第に退社記録をつけた後に雑用を依頼されるなどの違法な労働を命じられるようになるケースがあります。
こうしたケースでは労働者の側が違法性に気付いていても、失職することを恐れて労働基準監督署への相談や退社をためらってしまうことがあります。このように、労働者の弱みを企業側が握れる状況になると、ブラック企業が成長してしまいます。
そのため、労働者の立場を強化することが、ブラック企業撲滅に役立つといえます。
ブラック企業とわかると人材確保が難しくなることも
ブラック企業という言葉は、学生をはじめとする日本の多くの人が知っている言葉になっています。
そのため、「あの会社はブラックだ」などという評判が立った企業は、人材を確保しづらくなる可能性があります。
人材確保が難しくなると、時給を引き上げるなどして労働条件の魅力を上げるなどして注目度の高い仕事にする必要があります。ただ、人件費を抑制するためにこうしたコストが支出できないとなると、既存の人材への負担が増し、よりブラック性の強い企業になってしまう可能性もあります。