北方領土問題とは、日本とロシアが北方4島の領有権をめぐって争っている問題です。
排他的経済水域(EEZ)の確保が主目的
北方領土は、面積はそれほど大きくありません。しかし、周辺には多くの漁業資源があることから、日本、ロシア共に領有権を主張しています。
というもの、領土の沿岸から200海里の範囲は排他的経済水域(EEZ)として、漁業資源や鉱産資源を沿岸国が排他的に活用することが認められています。
実際、北方領土が浮かぶオホーツク海沿岸地域では、カニやサケなどの魚介類が多く水揚げされます。そのため、日本、ロシア両国ともに、領有権を主張し続けています。
実効支配しているのはロシア
日本の立場としては、北方4島は日本の領土、と主張しています。しかし、現在北方領土に滞在している人種を考えると、実効支配しているのはロシアといえます。
さらに、ロシアは北方領土の発展を支援するための取り組みを行っています。日本政府も北方領土問題を担当する大臣を置くなどして、北方領土問題の解決に向けて努力しています。
ただ、現状ではロシアが実効支配を行っているため、4島すべての確保は難しいとの意見もあります。とはいえ一部の島だけを日本の領土として確保し、残りの島の領有権はロシアにあることを認めれば、北方領土出身者をはじめ、さまざまな日本国民から批判が出る可能性があるのです。
日本はロシア以外にも韓国との間で領土問題を抱えているほか、中国も日本領である尖閣諸島の領有権を主張しています。北方領土問題を考えるにあたっては、日本のほかの土地の領有権をめぐる争いへの影響にも配慮する必要があるといえます。