EPSとはEanings Per Shareの略号で、日本語では「一株あたり利益」呼ばれるものです。
株式会社の場合どれだけの利益がでたとしても、一株あたりの利益がいくらなのかを見ないことには、投資家にとって儲かる存在なのかそうでないかを判断することはできません。
1000億円の利益を上げた会社でも10億株が発行済み株式なら一株利益、つまりEPSは100円ということになりますが、100億株が発行済みとなれば、EPSはたったの10円になってしまいます。
このように株式単位辺りの利益を比較するときに使うものが「EPS」とよばれるものなのです。
自社株の購入が増えている理由
複数の企業の投資対効果を比較判断する場合にも、このEPSを見比べてみることは大きなポイントとなります。
特に投資株価から比較した場合には、どの会社が割安に投資できるかが、かなり明確に判断できるため、多くの投資家が注目する指標となっているのです。
最近では上場企業では株価を高めるために、企業の自社株買いが増えていますが、発行済み株式数を自社株買いで減らすことによりEPSを高めることができることから、結果として株価が大きく上昇するものとなるため、欧米や日本でもこうした動きが多くなっています。
PERとは?
また株価をこのEPSで割って上げますと「PER,Price Earnings Ratio」を導き出すことができきるのです。「PER」は日本語では株価収益率と呼ばれるもので、、米国では15倍から20倍程度が適正な水準であり、日本でも日経平均などはほぼ13倍から15倍の範囲となっています。
PERにより一株利益の何倍まで買われているのかがわかりますから、株価が割安なのか割高なのかは一目瞭然となります。
EPSは株式市場全体の株価の平均値としても表すことができます。日経平均でもEPSは発表されており、これとPERを掛け合わせると日経平均株価の「フェアバリュー」というものを導き出すことも可能になるのです。
株価水準の推移は為替にも大きな影響を与えることになるため、常にチェックをしておくと便利です。
フェアバリューは重要な指標
EPSと「PER」を掛け合わせた日経平均のフェアバリューと現実の株価とのギャップを確認してみますと、足元の株式相場が割高なのか割安なのかがすぐわかることになります。
これは投資ファンドなど日本株に資金を投入しようとする海外の投資家は常に見ているものであり、またドル建ての株価で高いか安いかも見られていることになります。
多くの投資家は世界的な市場規模で株価を見ていますので、単にEPSの高い低いだけではなく「PER」との組み合わせでその株価の価値を分析していることがよくわかります。
割安感のある相場は買われることになりますし、大きく下落したときには買いのチャンスになりますので、為替の視点でも株価が下落を支えてくれることになり、結構重要な数値になっていることがわかります。